2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子・タンパク質発現解析に基づく腎癌治療薬の創薬ターゲットの探索
Project/Area Number |
16390040
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
奥村 勝彦 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (60025707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄田 敏之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00304098)
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
白川 利朗 神戸大学, 医学部, 助教授 (70335446)
岡村 昇 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60379401)
中村 任 神戸大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (80379411)
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Keywords | プロテオーム解析 / トランスクリプトーム解析 / 腎臓癌 / Sorcin / VEGF / MALDI-TOF / Ms |
Research Abstract |
腎臓癌は、外科的療法が一般的に行われるが、化学療法や放射線療法の奏功率が他の癌に比べて著しく低いこと、有用な診断マーカーが存在しないことが問題となっている。そこで抗癌剤に対する耐性メカニズムの解明や新規創薬ターゲット診断マーカーの探索を目指して、摘出腎癌における癌部・非癌部のトランスクリプトーム・プロテオーム解析を行った。 昨年度、癌部において多剤耐性に関わるSorcinの発現量が低下していることを明らかにしたが、癌細胞増殖における役割をRNA干渉の手法により検討した。すなわち、腎臓癌細胞Caki-1において、SorcinをsiRNAによってノックダウンさせると、癌の増殖、進展に重要な役割を果たしている血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor ; VEGF)の発現が誘導されることが明らかとなった。したがって、Sorcinの低下によりVEGFの発現が誘導されることにより、癌の増殖が促進されることが示唆された。 腎臓癌の癌部・非癌部におけるタンパク発現の網羅的な解析を目的として、それぞれの試料を^<12>Cおよび^<13>Cをそれぞれ6原子持つ2-Nitorobenzenesulfonyl chlorideにて修飾した後、MALDI-TOF/Msに解析した。質量差6Daのピークの高さにより、癌部で発現の上昇あるいは低下しているタンパクを検出し、同定した。その結果、これまで腎臓癌で発現上昇が認められているタンパクに加えて、未知のタンパクも同定することができた。
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Research Products
(2 results)