2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損による不妊発症機構と卵子活性化に至る精子準備に関する細胞生物学的解析
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16390046
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
年森 清隆 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20094097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 二美枝 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (60009751)
外山 芳郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (70009637)
前川 眞見子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (20181571)
伊藤 千鶴 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (80347054)
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Keywords | 精巣 / 静止抗原 / 不妊 / 遺伝子欠損 / 精子成熟 / 受精 |
Research Abstract |
結果と主な進行状況を記す。 1】GOPC遺伝子欠損(KO)と不妊症の関係:1)GOPC・KO精子は通常人工的に卵子を活性化しないと、卵子は活性化されない。しかし、.その中に1〜2%存在する扁平化精子を選択してICSIすると、人工的に卵子を活性化しなくても活性化の成功率が上昇することが判明した。2)GOPC・KO精子核クロマチン断裂状況を「sperm chromatin dispersion (SCD) test」にて解析した結果、核クロマチンの断裂は上昇していなかった。したがって、GOPC・KO精子に見られる先体後部形成不全は、卵子活性化能と相関するが、核クロマチン断裂とは相関しないことが判明した。 2】BREK(遺伝子欠損による不妊の解析:1)電顕を含む形態解析とアポトーシス解析の比較により、アポトーシスは精母細胞と精子細胞の時期に起こり、伸長期精子細胞(マウスstep9)頃から強い障害が障害が出現して乏精子化することが判明した。セルトリ細胞との特殊結合装置形成も障害されていた。 3】赤道部タンパク質MN9/equatohn:1)抽出→特異抗体による免疫沈降→電気泳動/イムノブロットによる同定→MS解析により候補タンパク質2つを絞り込み、最終的な同定実験を継続中である。2)卵子CD9との相互作用を検索する過程で、精子にCD9が存在することを同定した。 4】精子鞭毛タンパク質ベイシジンの分子修飾:受精過程における挙動を直接追跡するために、ベイシジンC末にGFPをノックインしたトランスジェニックマウスの産仔を得ることに成功した。産仔は現在、順調に育っており、解析可能となるまで成長を待っている。 5】精子防御に関係する鞭毛膜タンパク質T21(sgp54)はWGAで特異的に分離・精製された。別に作成した単クローン抗体MC121の抗原ともなっていることが判明し、分離・解析を継続中である。
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Research Products
(8 results)