2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境因子がC1^-ホメオスタシス変化を介して皮質神経回路の発達と再生に与える影響
Project/Area Number |
16390058
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩一 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80345818)
窪田 寿彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80377746)
熊田 竜郎 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00402339)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / カハールレチウス細胞 / 細胞移動 / GABA / タウリン / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
1.細胞外GABA/タウリン作用によるCl^-トランスポーター、GABA_A受容体発現の変化[福田・熊田・窪田・Luhmann]:GAD67-EGFP knock-inマウスへのHcRed導入モデルを用い、GABA含有量が異なるホモ、ヘテロと野生型で、radial移動細胞からパッチクランプとcell sorter法によるRT-PCRを行い、移動過程でのGABA応答とGABA_A受容体及びCl^-トランスポーター発現へのGABAの影響を解析したが全く差がなかった。そこで、マイクロダイアライシス法を用いてGABA、タウリンの皮質板における細胞外濃度を測定したところ、タウリン濃度は野生型でもGABAの1000倍もあり、また、タウリンを投与するとGABAの100倍程度の濃度で同等の脱分極を惹起した。これらの作用は以前報告されたようなグリシン受容体を介したものではなく、GABA_A受容体を介していた。すなわち、radial移動中の細胞はタウリンを高濃度に分泌し、タウリンはGABA以上にGABA_A受容体の内因性アゴニストとして作用して、autocrine的にradial移動細胞に働いたり、paracrine的にtangential移動細胞へのシグナルとなっている可能性が示唆された。 2.子宮内胎仔電気穿孔法を用いたKCC2強制発現による細胞移動の[Cl^-]_i依存性の証明[井上・福田・熊田]:KCC2の発現プラスミドをEGFPの発現プラスミドと同時に電気穿孔法で野生型マウス胎仔脳室帯の新生神経細胞に選択的に導入した。2種類のプラスミドは90%以上の高率で同一の細胞に導入されるので、KCC2発現細胞はEGFP蛍光で同定できた。また、実際に免疫組織化学法によってKCC2のradial移動中の細胞での発現を確認した。KCC2が強発現しているにもかかわらず、細胞移動は全く変化せず、[Cl^-]_iやGABAの作用もパッチクランプ法で確認したところKCC2を発現していない正常な移動細胞と全く同様であった。すなわち、細胞移動中のKCC2は機能していないことが示唆された。
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Research Products
(6 results)