2005 Fiscal Year Annual Research Report
機械的ストレスが誘発する異所性骨化の関連遺伝子解析とそれを標的とする薬物の探索
Project/Area Number |
16390063
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古川 賢一 弘前大学, 医学部, 助教授 (20165468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 逸朗 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (00192500)
瀬谷 和彦 弘前大学, 医学部, 助手 (40281919)
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Keywords | 異所性骨化 / メカニカルストレス / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / siRNA / Cbfa1 / ヌクレオチド受容体 / 内軟骨性骨化 |
Research Abstract |
(本年度の研究計画) A.靱帯細胞において、責任遺伝子のsiRNA、あるいはアンチセンスによるノックアウトを行い、メカニカルストレス応答(骨化関連遺伝子の発現、石灰化能、メカニカルストレスの細胞内情報伝達経路の各ステップ)に与える影響を解析する。 B.逆にメカニカルストレスが責任遺伝子あるいはその候補遺伝子の機能に与える影響をメッセージ、蛋白、機能の各レベルで解析する。 C.昨年はOPLLで特異的に発現している核酸受容体の存在を明らかにしたが、受容体は薬物治療のターゲットの候補として重要である。そこでこの受容体に特異的に作用する薬物がメカニカルストレス応答に与える影響を解析する。 (本年度の研究実績) A.骨化関連転写因子Runx2(Cbfa1)をsiRNAでノックアウトし、マイクロアレイで遺伝子発現の網羅的解析を行ったところ、メカニカルストレスで促進される骨化関連遺伝子の多くが、発現抑制を受けた。更に興味深いことに軟骨形成関連遺伝子と共に血管新生抑制因子の多くが発現抑制を受けた。正常骨化初期に軟骨形成促進と、血管進入抑制が起こるという過程と合致し、OPLLが内軟骨性骨化の過程を辿るとする我々の仮説を支持する結果となった。 B.メカニカルストレス負荷で、軟骨形成に重要な結合組織増殖因子(CTGF)の発現が著しく増大した。これもOPLLが内軟骨性骨化の過程を辿るとする我々の仮説に合致する結果である。 C.核酸受容体のサブタイプP2Y1がOPLL細胞で、正常靭帯細胞に比して著しく強く発現していた。一方、メカニカルストレス負荷で靭帯細胞自身がATP遊離を起こすことが明らかになった。また添加したATPは骨化マーカーの発現を増大させた。その発現増加はP2Y1の特異的アンタゴニストでほぼ完全に抑制された。この受容体およびそのアンタゴニストが薬物治療のターゲットとなりうると期待される。
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Research Products
(4 results)