2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞部位における低分子G蛋白の活性化機序と病態形成への関与に関する研究
Project/Area Number |
16390069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐々木 泰治 北里大学, 薬学部, 教授 (90327445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 康仁 北里大学, 薬学部, 講師 (80303618)
松尾 由理 北里大学, 薬学部, 助手 (10306657)
田辺 敦弘 北里大学, 薬学部, 助手 (50365186)
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Keywords | small G-protein / Rho-kinase / CaMK1γ / mPGES-1 / PGE_2 / brain ischemia |
Research Abstract |
1.炎症性メディエータにより活性化される低分子G蛋白とそのエフェクター(蛋白リン酸化酵素)の探索、および標的蛋白のリン酸化経路確認。 (1)ブラジキニン(BK)刺激による、培養神経細胞(SY5Y細胞)のMARCKS(myristoylated alanine-rich C-kinase substrate)のリン酸化とリン酸化経路の確認: BK刺激(B2受容体)による、低分子G蛋白(Cdc42,Rac)の活性化とエフェクター、p21-activated Kinase(PAK)、の活性化によるMARKCKS(Ser159)のリン酸化を、in vitro系、細胞系にて確認した(継続)。 (2)リゾフォスファチジン酸(LPA)刺激による、RhoK活性化機序の探索(Rhoキナーゼ経路とPKC経路のクロストーク): リゾフォスファチジン酸(LPA)刺激によるMARCKSのリン酸化経路をRho-kinase阻害薬が阻害した。現在、RhoA/Rho-kinase系とGq/PKC経路との相互活性化機構を分子レベルで確認中(継続) (3)BK刺激による、培養神経細胞(Neuro2A)のカルモデュリンキナーゼ1γ(CaMK1γ)の活性化とsynapsin I(Ser603)のリン酸化、及びそのリン酸化経路の分子レベルの確認(継続) CaMK1γの活性化機構と細胞内分布が従来型のカルモデュリンキナーゼIIまたはIと異なることが判明。また、synapsin Iのリン酸化に対する特異性が従来型のCaMKIと異なることも判った(継続)。 2.ラット脳梗塞(MCAO)モデルを用いた、梗塞巣における蛋白誘導の確認と梗塞巣拡大因子 (誘導発現蛋白、及び低分子増悪因子)の探索 (1)ラットMCAO・再灌流モデルにて、mPGES-1の有意な誘導発現(mRNAと蛋白レベル)が梗塞側の線条体と皮質で見られ、皮質のPGES活性の上昇とPGE_2含量の増加が見られた。更に、梗塞側の皮質にてmPGES-1を誘導発現する細胞が、ミクログリアであることを組織染色にて確認した。 3.梗塞巣拡大候補因子(mPGES-1およびPGE_2)の機能確認:拡大因子欠損マウスを用いた確認 (1)mPGES-1欠損マウス(KOマウス)MCAO・再灌流マウスモデルにて、梗塞巣領域(殊に、皮質)が、正常マウスのそれよりも有意に小さかった。現在、梗塞関連項目、及び神経症状について、KOマウスと正常マウスとで比較検討している(継続中)。
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