2004 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素感知機構の分子基盤の解明と換気応答の制御法の開発
Project/Area Number |
16390071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 渉 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10142944)
古山 和道 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80280874)
武田 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30311559)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 小眼球症関連転写因子 / 酸素センサー / 換気応答 / 赤血球 |
Research Abstract |
ヘム分解系の律速酵素ヘムオキシゲナーゼには誘導型アイソザイムであるHO-1と構成型のHO-2が存在する。我々は、HO-2欠損(-/-)マウスが低酸素血症と低酸素換気応答の低下を呈し、同マウスの肺静脈心筋が肥厚しHO-1の発現が増加していることを発見した。肺静脈心筋におけるこれらの変化は慢性的な低酸素血圧に対する適応の結果と考えられる。なお、肺静脈心筋は心房細動の発生源として知られており、近年注目されている。そこで、HO-1とHO-2が関与する低酸素応答の分子基盤を解明する。 ヒト神経細胞のモデルとして網膜色素上皮細胞を低酸素下で培養するとHO-1の発現が誘導されるが、インターフェロンγと培養するとHO-1の発現が低下した。このようにHO-1は細胞微小環境に応じてその発現が巧妙に制御されている。 ヒト赤芽球性白血病細胞株YN-1を利用して、低酸素応答を詳細に解析している。特に、YN-1細胞を低酸素下(1%O_2)で培養し、DNAアレイ解析により低酸素で発現が著明に変化する複数の遺伝子を同定しており、それら分子の発現解析を行っている。一方、小眼球症関連転写因子(MITF)の変異マウス(black-eyed white, bw)は過剰な低酸素換気応答を呈する。そこで、bwマウスと野生型マウスの肺と呼吸中枢からmRNAを調製し、DNAアレイ解析により発現量が異なるmRNAを探索した。既に、bwマウス皮膚で欠損する分子としてProstaglandin D2 synthase (brain-type) (PGDS)を同定し、PGDS遺伝子転写におけるMITFの関与を解析している。 野生型マウスを低酸素(10% O_2)環境に曝露し、個体レベルの低酸素応答を解析している。すなわち、造血への影響、血液中の一酸化炭素濃度の変化、種々組織におけるHO-2とMITFの発現解析などを継続中である。
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Research Products
(2 results)