2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム遺伝子群による成体幹細胞の制御機構の解析と増幅法の開発
Project/Area Number |
16390080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
瀧原 義宏 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60226967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (10211799)
安永 晋一郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (50336111)
西谷 秀男 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40253455)
瀧原 圭子 大阪大学, 保健センター, 助教授 (70252640)
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Keywords | ポリコーム遺伝子群 / 成体幹細胞 / 造血幹細胞 / DNA複製制御 / Geminin / Cdt1 |
Research Abstract |
各種疾患によって傷害を受けた臓器や細胞を再生させ治療することを目指す再生医療は幹細胞システムを利用する。先端的再生医療である造血幹細胞移植療法の開発によって従来致死であった白血病も根治することが可能になった。しかし、これら幹細胞システムを支持している分子基盤についてはまだほとんど理解が進んでおらず、再生医療の更なる発展の最大の障壁となっている。幹細胞はその頻度が低いことや検出が容易でないことから解析が遅れている。本研究ではポリコーム遺伝子群(PcG)に注目し、PcGの遺伝子欠損マウスを作製することによって幹細胞システムを支持する分子基盤を解析するための新たな手がかりを得た。PcGはショウジョウバエの遺伝学的解析から発見されたが、ヒストンコードを介してクロマチンの高次構造を制御することにより、一度設定された転写状態を維持する機能を有し、発生制御において重要な役割を果たしていることが知られている。そこで、高等哺乳動物においてPcGの相同遺伝子を見つけ、ノックアウトマウスを作製することによって、PcGの機能がショウジョウバエから高等哺乳動物まで広く保存されていることが明らかにした。そして更に自己複製能を含めた造血幹細胞の活性維持にPcGが重要な機能を果たしていることを初めて明らかにした。最近PcGが造血幹細胞に限らず、神経幹細胞や神経提細胞、さらには白血病幹細胞の活性を維持することにも関っていることが他の研究室からも報告されており、高等哺乳動物においてPcGが広く幹細胞機能の維持に関っていることが予測される。PcGはP16CDKインヒビターやP19ARFをコードしているink4A遺伝子座の発現を抑制することによって細胞老化を防ぎ、幹細胞の活性を維持していると考えられている。しかし、本研究では独自に確立したPcGの一つであるrae28遺伝子の欠損マウスを用いた実験系によってPcG複合体がDNA複製のライセンス化因子Cdt1の抑制因子Gemininと複合体を構成し、PcGが直接DNAの複製制御を介して幹細胞の活性維持に関っているという新しい側面を見つけた。そこで、Geminin-Cdt1がどのような分子基盤によって各種の成体幹細胞の活性制御に関っているかについてさらに詳細な解析を試みるとともに、その分子基盤を応用して幹細胞をex vivoで増幅する技術の開発を目指して研究を進める計画である。
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Research Products
(6 results)