2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体防御を担う活性酸素生成型食細胞NADPHオキシダーゼの活性化制御の分子機構
Project/Area Number |
16390081
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
住本 英樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30179303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武谷 立 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50335981)
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Keywords | 蛋白質 / 脂質 / シグナル伝達 / 感染症 / 免疫学 / 酵素 / NADPHオキシダーゼ |
Research Abstract |
NADPHオキシダーゼは活性酸素を生成する酵素であり、生成された活性酸素は生体防御において必要である。オキシダーゼのプロトタイプは食細胞に豊富に存在する食細胞NADPHオキシダーゼであるが、その酵素本体は膜蛋白質gp91^<phox>であり、p22^<phox>と会合してシトクロムb_<558>を形成している。本酵素の活性化には、特異的アダプター蛋白質(p47^<phox>,p67^<phox>とp40^<phox>:各々がSH3ドメインをもつ)が刺激依存性に細胞質から細胞膜に移行してシトクロムb_<558>と会合する必要がある。私達はオキシダーゼ活性化機構を研究し、平成17年度は以下のような成果を得た。 (1)gp91^<phox>活性化に必要なp47^<phox>-p22^<phox>相互作用がp47^<phox>のSH3ドメインによる新規な認識様式によるものであることを、生化学的および構造生物学的な解析により明らかにした。 (2)gp91^<phox>活性化に必要なもう1つの結合であるp47^<phox>-p67^<phox>相互作用が、p47^<phox>のSer-379のリン酸化により負に調節されていることを示した。 (3)p47^<phox>のIle-152が、gp91^<phox>に直接的に作用してその活性化に与ることを明らかにした。 (4)p40^<phox>のファゴソームへの集積が脂質結合能により調節されていることを示した。 (5)Noxファミリー(gp91^<phox>ホモログ)の1つNox1(大腸上皮細胞で局所感染防御に関与)の活性化において、低分子量G蛋白質Racが、Noxa1(p67^<phox>のホモログ)の膜移行を促進しその活性型への構造変化を促進することで働くことを示した。また、Nox3はp22^<phox>とヘテロダイマーを形成していること、その活性にはp47^<phox>やNoxo1(p47^<phox>ホモログ)がp22^<phox>と結合する必要があることを明らかにした。
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