2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御因子Kipファミリーの分解制御機構の解析
Project/Area Number |
16390082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40333455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
畠山 鎮次 北海道大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70294973)
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Keywords | タンパク質分解 / 細胞周期 / ユビキチン |
Research Abstract |
ユビキチンシステムは細胞内の主要なタンパク質分解経路の一つである。このシステムにおいて基質タンパク質はユビキチンリガーゼにより特異的にポリユビキチン化され、26Sプロテアソームによって分解される。最近われわれは、p27のG0-G1期における分解因子としてKPCを同定した。KPCは細胞質に局在しており、KPC1/2からなる複合体を形成していた。KPC1はN末端にタンパク質間相互作用に関わるとされるSPRYドメインと、C末端にE3に典型的なRING-fingerモチーフを有していた。一方、KPC2はN末端にUBLドメイン、C末端にUBAドメインを2つ持つ構造であった。 そこで、われわれはKPCによるp27の認識およびポリユビキチン化のメカニズムを解明する目的で、KPC1/2複合体とp27の相互関係を調べた。KPC2はKPC1のSPRYドメインを含むN末端に、またp27もKPC1のN末端側に結合することが分かった。In Vitroにおいて、N末端を欠くKPC1変異体はp27に対するポリユビキチン化能を失っていた。一方、p27変異体を用いたKPCによるin vitroユビキチン化反応の結果から、KPC1はp27のCDK阻害ドメイン付近に結合している可能性が示唆された。さらに、この反応系にサイクリンE/CDK2複合体を添加したところ、p27のポリユビキチン化が阻害された。これらの結果から、G0-G1期において、KPC2と結合したKPC1はそのN末端で核から細胞質へと移行したp27(非結合型)を認識し、C末端のRING-fingerモチーフでポリユビキチン化する。ポリユビキチン化されたp27は、ユビキチンレセプターであるKPC2によって26Sプロテアソームへリクルートされ分解される、という一連のモデルが考えられた。 現在KPCの遺伝子改変マウスを作製している最中である。
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Research Products
(2 results)