2005 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア結合蛋白質Potlを中心とするテロメア調節機構の分子論的解析
Project/Area Number |
16390083
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鳥越 秀峰 東京理科大学, 理学部, 助教授 (80227678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 一博 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90260330)
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Keywords | テロメア結合蛋白質 / テロメア1本鎖DNA / テロメラーゼ / ゲルシフト法 / two-hybrid法 / Pull-down法 / 免疫沈降法 / 欠失変異株 |
Research Abstract |
Pot1のN末端側182アミノ酸残基がテロメア1本鎖DNA領域との特異的な結合に必要なドメイン(DBD)であることを既に明らかにしている。大腸菌内での大量発現系を用いたPot1DBDの調製方法についても既に確立している。この系を用いてPot1DBDを調製し、昨年度はPot1DBDの3次元構造を解析し、3本のαヘリックスと8本のβストランドを有するOB(oligonucleotide/oligosaccharide binding)foldのファミリーに属することを明らかにしている。また、d(GGTTAC)がPot1DBDとの特異的な結合に必要である、テロメア1本鎖DNA側の最適な塩基配列であることも明らかにしている。 そこで本年度は、d(GGTTAC)との結合に必要であるPot1DBD側のアミノ酸残基を明らかにするために、Pot1DBD側のアミノ酸残基に点変異を導入するための発現プラスミドを構築し、大腸菌内での大量発現系を用いて変異型Pot1DBDを調製した。これらの変異型Pot1DBDとd(GGTTAC)との結合能をゲルシフト法で解析した。S58A,K90AおよびD125Aは野生型と比較してd(GGTTAC)との結合能がほとんど変化しなかったが、D64A,Q120LおよびK124Aは野生型と比較してd(GGTTAC)との結合能が有意に低下した。複合体の3次元構造からd(GGTTAC)との複合体形成への関与が示唆されているアミノ酸残基の中でも、複合体形成への関与の度合が大きいアミノ酸残基と小さいアミノ酸残基があることが推察された。また、複数のアミノ酸残基が1つの塩基を認識している場合には、片方のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されても他方のアミノ酸残基がd(GGTTAC)との結合能を保持し得るように補償する場合があることが推察された。 一方、昨年度はtwo-hybrid法により、Pot1のC末端領域と相互作用する可能性のある蛋白質としてsnoRNPの1つであるGar1を分離している。そこで本年度は、Pull-down法と免疫沈降法によりPot1のC末端領域とGar1が直接的にin vitroで相互作用することを明らかにした。また、in vivoにおけるGar1のテロメア長への影響を解析するために分裂酵母のGar1欠失変異株を作製したところ、表現型は致死であった。Gar1欠失変異株では、Pot1がGar1を介してテロメラーゼをリクルートするということが起きず、テロメアが短くなりすぎて致死になったことが考えられる。
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[Journal Article] Combination of Poly(L-lysine)-graft-dextran Copolymer and 2'-O,4'-C-methylene Bridged Nucleic Acid (2',4'-BNA) Modification Synergistically Stabilizes Pyrimidine Motif Triplex at Neutral pH2005
Author(s)
Torigoe, H., Katayama, T., Obika, S.Maruyama, A., Imanishi, T.
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Journal Title
Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids 24
Pages: 635-638
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