2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メタボロミックスによる病態解析をめざした全自動脂質組成一斉分析装置の開発
Project/Area Number |
16390093
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東城 博雅 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (90135707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 潤二 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (50163407)
坂東 泰彦 エーエムアール株式会社, 分析機器部, 部長(研究職)
|
Keywords | リピドミックス / 脂質 / 質量分析 / HPLC / 順相クロマトグラフィー / エレクトロスプレー |
Research Abstract |
1.脂質一斉分析に必要な順相系ゲルの選択、溶媒条件の最適化、イオン化条件、質量分析器条件の最適化を行なった。 2.キャピラリーHPLCに用いる順相ゲルの選択、キャピラリーカラムのパッキング条件を再検討してロット間差の無い安定なカラムを作製した。 3.脂質分析の高感度化に重要な高撥水性エレクトロスプレーチップを開発した。 4.エレクトロスプレーによりイオン化せず質量分析器で分析できないコレステロールのオンライン分析に対応する為に蒸散光散乱光度計(ELS)で並列検出するシステムを開発中である。ELSの高感度化が必要で現在開発を進めている。 5.ARNT KOマウスでは、スフィンゴ脂質でdesaturase2 (DES2)の発現が低下しており4-スフィンガニン骨格の欠如が角層バリアー機能喪失の原因と考えられるので、DES2の表皮特異的遺伝子破壊マウスを作成している。現在、皮膚特異的遺伝子破壊に必要なK5 Creマウスとの交配実験を行っている。 6.セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)はすべてのスフィンゴ脂質のde novo生合成の初発・律速酵素である。4)のELS並列検出システムをとりいれた改良型脂質一斉分析装置により、皮膚とT細胞特異的なSPT-KOマウスの脂質分析を行い、スフィンゴ脂質de novo生合成欠落時の組織特異的な変化とスフィンゴ脂質の代償経路について検討した。皮膚とT細胞とも正常機能維持にセラミドのde novo生合成が必須であることがわかった。皮膚では、表皮防御機能が低下し、セラミドなどの中性脂質の脂肪酸組成変化で表皮の疎水性度を上げ部分的に表皮防御機能を代償することがわかった。T細胞では、ラフトのスフィンゴ脂質とコレステロールの低下がT細胞受容体機能を著しく障害し分化異常をきたすことがわかった。
|
Research Products
(4 results)