2005 Fiscal Year Annual Research Report
受容体シグナル伝達異常の分子病態に基づく悪性リンパ腫の診断と治療の基礎研究
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16390103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 俊樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30182934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 尚臣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (80293447)
堀江 良一 北里大学, 医学部, 助教授 (80229228)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / リンパ腫 / 診断 / 分子病態 |
Research Abstract |
(1)CD30過剰発現機構の解析:CD30過剰発現を示す腫瘍細胞で認められるJunBの発現が、CD30-ras-MAPK経路の活性化による事を始めて明らかにした(Cancer Res 65:7628,2005)。 (2)ATL細胞の遺伝子プロファイル解析:ATL検体のアレイ解析の結果、過剰発現を示す20遺伝子を用いて定量real time PCRを用いて発現量検討を行っている。一部の遺伝子を用いた解析では、末梢血中のATL細胞を高感度かつ特異的に検出可能である事を示した(平成17年癌学会総会にて発表)。 (3)NF-kB標的遺伝子の解析:構成的NF-kB活性化の見られる腫瘍細胞株を用いて、NF-kB阻害の有無による遺伝子発現の変化をCodeLink systemで解析した。1000以上の遺伝子が2倍以上の発現レベルの変化を示す事、およびpro-apoptotic遺伝子と、anti-apoptotic遺伝子のがそれぞれ発現更新と抑制を示すことが確認された。また、多くの未知のNF-kB標的遺伝子遺伝子が明らかになった。 (4)NF-kB阻害剤による治療法の基礎研究:ATL、CLLおよびHodgkinリンパ腫に対するDHMEQの抗腫瘍作用をin vitroおよびanimal modelで解析した。ALTにおいては、ATL細胞に対する抗腫瘍作用のみならず非腫瘍化HTLV-1感染細胞をも標的として選択的に排除する事を見いだした(BLOOD106,2642,2005)。CLLに対しては同様にアポトーシスを誘導し抗腫瘍作用を示すが、さらにfludarabineと併用することでNF-kBの活性化を抑制して効果を増強する事を見いだした(Leukemia, in press)。Hodgkinリンパ腫についても有効性を確認した(Cancer Res、投稿中)。
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Research Products
(14 results)