2004 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病抑制遺伝子に関する病態機能解析ならびに治療展開研究
Project/Area Number |
16390113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60291267)
古川 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00372293)
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Keywords | 自己免疫病 / SLE / 疾患モデル動物 / SAP / シグナル伝達分子 / アダプター分子 / 自己抗体 / 血小板 |
Research Abstract |
私たちは、膠原病疾患モデルマウスの中から正常化マウスを分離し、そこに「正常化」の原因となった突然変異、すなわち膠原病抑制変異の同定を試みてきた。実際これまでに、ポストゲノムの遺伝子情報を活用することにより、2種の膠原病抑制変異の同定に成功している。さらに、これらの変異マウスの詳細な解析から、膠原病の病態に関わる新たな分子や組織傷害のエフェクター細胞が想定されており、現在、この新しい着想を基に新たな疾患制御法を想起するに至っている。本研究は、上記2変異の正常の遺伝子機能が、どのように病的カスケードに作用して膠原病発症に導いているのかを明らかにし、その理解の上に、免疫・炎症性疾患の新治療法を提案し、動物実験でその有効性を検証することを目的とした。 平成16年度は、研究計画2-1.SAPを介した自己免疫現象の発症機序、ならびに2-2.自己免疫現象に関わるSAPの上流分子の同定、に関する研究を重点的に行った。結果は次にまとめられる。 1.MRL/lprマウスより調整した脾細胞分画(CD4,CD8,CD4/CD8-DNなど)をSAP欠損マウスに移入した。自己免疫現象の再構築性に関して現在解析中。 2.SAP上流にあるSALMファミリー受容体の1つである2B4受容体の単クローン抗体を作製した。本受容体が自己免疫に関わる可能性を調べるため、抗2B4抗体を精製してMRL/lprマウスに投与した。抗体投与がもたらす自己免疫現象の変化に関して現在解析中。 3.SAPに関連する各受容体の可溶型分子をデザインし、アデノウイルスベクターに導入した。これらの可溶性受容体をMRL/lprに発現させて、自己免疫病に最も関わるSALMファミリー受容体の同定を進めている。
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Research Products
(1 results)