2005 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病抑制遺伝子に関する病態機能解析ならびに治療展開研究
Project/Area Number |
16390113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60291267)
古川 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00372293)
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Keywords | 自己免疫病 / SLE / 疾患モデル動物 / SAP / シグナル伝達分子 / アダプター分子 / 自己抗体 / 血小板 |
Research Abstract |
膠原病疾患モデルマウスの中から正常化マウスを分離し、そこから「正常化」の原因となる突然変異の同定を試み、2つの変異遺伝子の同定に成功した(Komori H, et al.J Immunol 2006)。これらの変異マウスの解析から、膠原病の病態に関わる新たな分子や組織傷害のエフェクター細胞の同定(16年度計画の継続課題)に取り組む一方で17年度計画の課題に着手し、次の成果を得ている。 1.16年度の計画の継続課題 SAP分子の上流にあるリンパ球受容体4種(2B4,SLAM, Ly108,CD89)の可溶型遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクター、また、細胞株を構築中である。 2.血小板分泌機能を利用したドラッグ・デリバリーシステムの開発 血小板機能不全マウスより、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)に血小板が重要な役割を果たすことを示した。様々なRPGN発症モデルで血小板の重要性を検討した結果、RPGNにも血小板依存性と非依存性の病態が存在することを突き止めた。血小板機能のターゲット治療は、前者の場合にしか望めないことになる。したがって現在、ヒトのRPGNにおいて、そのような2群が存在するかどうかを検討している。今年度は、動物実験レベルで、骨髄移植の急性GVHDやRPGNの抑制に著効を示す新規経口免疫抑制剤の開発に成功した(Saiga K, et al.Bone Marrow Transplant 2005)。現在、日本化薬株式会社と共同で、本免疫抑制剤に関する血小板分泌機能を利用したドラッグ・デリバリーシステムを開発中である。 3.SLAMファミリー受容体の可溶性受容体(decoy)による疾患抑制の試み 生体内に導入するベクターを作製中である。 4.アレルギー反応(マスト細胞の脱顆粒)ならびにアレルギー性炎症の抑制の試み SAP変異の骨髄マスト細胞では、IgEと抗原刺激による脱顆粒反応、TNF, IL-6などのサイトカイン産生に異常がないことを確認した。
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Research Products
(6 results)