2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型プロテアーゼADAM分子による接着分子インテグリンの機能の制御
Project/Area Number |
16390117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70224748)
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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Keywords | ADAM / 脳転移 / インテグリン / 肺癌 |
Research Abstract |
ADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリー分子はメタロプロテーゼとディスインテグリンをあわせ持つ膜結合型分子である。転移におけるADAM分子の意義を解明する目的で、肺癌細胞株EBC-1の脳転移株および骨転移株におけるADAM9、10、12、15、17mRNAの発現を検討した。その結果、脳転移株では親株および骨転移株に比較して有意にADAM9のmRNAの発現亢進が認められた。そこで肺癌細胞株A549にADAM9を遺伝子導入して、強制発現株を作成した。ADAM9のトランスフェクタントは親株およびmock trasnfectantに比べて、神経成長因子(NGF)に対する浸潤性の増強、脳組織スライスに対する細胞接着性の亢進およびインテグリンα3β1の発現レベルの亢進が見られた。α3β1以外のインテグリンの発現レベルには有意な差は見られなかった。また、インテグリンβ1鎖の阻害抗体により、浸潤性、接着性およびα3β1の発現亢進の現象はいずれも抑制された。ADAM9のトランスフェクタントをスキッドマウスの尾静脈に注射して転移を観察したところ、肺の多数の転移結節とともに脳内における微小転移を多数認めた。親株およびmock trasnfectantは肺転移のみで脳転移は見られなかった。これらの結果より、脳転移にADAM9が重要な役割を果たしている可能性が示された。
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Research Products
(7 results)