2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型プロテアーゼADAM分子による接着分子インテグリンの機能の制御
Project/Area Number |
16390117
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70224748)
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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Keywords | ADAM / インテグリン / メタロプロテアーゼ / ディスインテグリン |
Research Abstract |
ADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリー分子はメタロプロテーゼとディスインテグリンをあわせ持つ膜結合型分子である。ADAMは元来、ディスインテグリンドメインがあるので、インテグリンの機能に影響を及ぼすことが想定されてきたが、ADAMとインテグリンの関係に関する報告は少ない。昨年度に引き続いてADAM9分子とインテグリンとの関連性について検討した。ヒト線維肉腫細胞株HT1080にmADAM9を遺伝子導入、高発現した細胞株を作成し、細胞膜表面における種々のインテグリンに及ぼす変化をフローサイトメトリーで検討したところ、インテグリンα4のみに発現の低下が認められた。ADAM9のプロテアーゼ活性により、インテグリンがシェディングされた可能性が考えられたため、メタロプロテアーゼドメイン欠失mADAM9および、その活性を制御すると考えられているディスインテグリンドメイン欠失mADAM9の安定発現株を作成した。しかし、両クローン共にmADAM9蛋白質が膜へ移行せず、その機能を果たしていないことが明らかになった。その結果をうけ、メタロプロテアーゼ活性中心のアミノ酸を点変異させたメタロプロテアーゼ不活性変異体を作成した。野生型mADAM9を発現した細胞株では、RT-PCRの結果からインテグリンα4はm-RNAレベルでの発現消失が認められており、インテグリンα4β1特異的なリガンドに対する接着性も同時に抑制されていた。それに対し、mADAM9変異体では、m-RNA、フローサイトメトリーにおいてインテグリンα4の発現が確認できた。以上より、ADAM9はインテグリンα4の発現をm-RNAレベルで抑制し、インテグリンα4β1特異的なリガンドに対する接着性を低下させた。また、その抑制機構にADAM9メタロプロテアーゼドメインが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)