2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスをモデルとしたDNA塩基除去修復欠損の分子病態解明
Project/Area Number |
16390119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土本 大介 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70363348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
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Keywords | 酸化DNA損傷 / 塩基除去修復 / 遺伝子改変マウス / 損傷ヌクレオチド分解酵素 |
Research Abstract |
1.脱塩基部位切断酵素APEX2欠損マウスにおいて、発育遅延、細胞周期異常を伴うリンパ球減少、抗体産生能の低下が起こることを明らかにし、Blood誌において発表した。 2.細胞内におけるAPEX2複合体の同定のための研究を開始した。 3.リンパ球に特異的に発現するDNAグリコシラーゼであるNEIL3のマウス個体における発現プロファイルなどを解析し、NEIL3欠損マウスを樹立した(論文投稿準備中)。現在欠損マウスのさらなる解析を進めている。 4.塩基除去修復酵素同士の相補機能、または連続した反応の触媒などを証明するため、複数の修復酵素の欠損マウス同士の交配を進めた。現在、APEX2/NEIL3、APEX2/MUTYH、NEIL3/OGG1、NEIL3/NTH1の各二重欠損マウスが生まれ始めており、一部は既に解析を開始している。 5.損傷ヌクレオチドであるイノシン3リン酸を分解するマウスITPAをコードするcDNAをクローニングし、ITPAタンパク質について解析した(DNA Research誌に掲載予定、印刷中)。さらにITPA欠損マウスを樹立し現在解析中である。 6.DNAグリコシラーゼMUTYHが、基質である8-oxoグアニン:アデニン対からアデニンを除去した後に産物DNA(塩基除去修復中間体でもある)に結合した状態で残り、この産物の分解によるDNA切断を防いでいることを明らかにし、Nucleic Acids Research誌において発表した。 7.DNAグリコシラーゼMUTYHが損傷塩基2-OH-アデニンを含むDNAを修復すること、ならびに家族性大腸腺腫症の原因となる変異型MUTYH(G382D)に相当するマウスMUTYH(G365D)がこの活性をほとんど欠損していることを証明し、Nucleic Acids Research誌において発表した。
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Research Products
(4 results)