2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスをモデルとしたDNA塩基除去修復欠損の分子病態解明
Project/Area Number |
16390119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土本 大介 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70363348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
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Keywords | 酸化DNA損傷 / 塩基除去修復 / 遺伝子改変マウス / 損傷ヌクレオチド分解酵素 |
Research Abstract |
1.血液細胞特異的DNAグリコシラーゼであるNEIL3のマウス個体および細胞内における発現プロファイルを解析、同時にNEIL3欠損マウスを樹立し、The Journal of Biochemistry誌において発表した。更にこのマウスを詳細に解析して末梢白血球の有意な減少を明らかにして論文投稿の準備を開始した。また他の塩基除去修復関連酵素(OGG1、NTH1、APEX2)との二重欠損マウスを作成し解析を開始した。 2.損傷ヌクレオチドであるイノシン3リン酸(ITP)を分解する酵素、ITPAを欠損したマウスを樹立し、このマウスが発育遅延を示し、出生後2週間で死亡することを明らかにして論文投稿準備を開始した。さらにITP結合タンパク質を精製、同定し、解析を開始した。 3.その変異がヒトの家族性大腸腺腫症の原因となることが知られているアデニンDNAグリコシラーゼであるMUTYHを欠損したマウスについて、長期飼育時の小腸腺腫形成と酸化ストレス負荷時の腺腫数増加を観察し、現在論文を投稿中である。またMUTYHの生物学的機能解析を目的としてMUTYH欠損マウスよりマウス胎児繊維芽細胞株(MEF)を樹立し、更に野生型および変異型の組換えMUTYHを発現するMEF株の作成を開始した。 4.酸化ヌクレオチド分解酵素MTH1欠損マウスに神経毒であるMPTPやカイニン酸を投与した。MTH1欠損マウスでは、黒質から線状体へ投射するドーパミン作動性神経細胞終末が野生型に比べてMPTPに対する高い感受性を示した。またカイニン酸投与下では野生型に比べて酸化塩基の有意な蓄積を認め、特にこの蓄積がミクログリアで顕著であった。これらの成果は各々Cell Death and Differentiation誌とThe Jounal of Neuroscience誌において発表した。
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Research Products
(3 results)