2005 Fiscal Year Annual Research Report
メモリーT細胞におけるケモカイン受容体の分子動態とin vivoの機能解析
Project/Area Number |
16390143
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松島 綱治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灰野 誠 東京大学, 大学院・医学系研究所, 助手 (30345045)
|
Keywords | ケモカイン / ケモカイン受容体 / 免疫シナプス / T細胞受容体 / LFA-1 |
Research Abstract |
ケモカイン/ケモカイン受容体の新たな機能を見出すために、HIVの共受容体であるCCR5に焦点を絞り、特にT細胞受容体(TCR)刺激とのクロストークの解明とそれらの生理学的、病理学的意義を明らかにすることを目的とした。まずケモカイン受容体CCR5はTCR刺激に伴って発現誘導され、TCR刺激後にCCR5やそのリガンドであるRANTES granulesが免疫シナプスに集積することを見出した。またTCR刺激でCCR5が実際に活性化されることをCCR5-renillaとGFP-β-arrestinの会合を指標にBRET (Bioluminescence Resonance Energy Transfer)法を用いて明らかにした。また、CCR5/CXCR3ダブル遺伝子欠損マウスを作製することにより、ケモカイン受容体CCR5とCXCR3のシグナルがCD8+T細胞の増殖へのコミットメントに重要であることをin vivoで確認した。次に、wild type, CCR5-KO, CXCR3-KO, double-KOの4ラインのマウスを用いて、角膜移植、ブレオマイシン誘導性肺線維症、デキストラン誘導性腸炎など、10以上の疾患モデルを解析し、特にType-II collagenによる関節リウマチモデルにおいて、CCR5-KOマウスでは関節炎の強い抑制が認められ、逆にCXCR3-KOマウスでは病態の増悪を示し、D-KOマウスでは両者の表現型が確認されたことから、ケモカイン受容体に対する関節リウマチの治療の方向性として、CCR5を抑制し、CXCR3を刺激することが、有効であることが推測された。またこれらの知見はAIDSにおける合併症の病態の解明につながることが期待された。
|
Research Products
(6 results)