2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管周囲神経リモデリングの研究とこれを標的とする新規薬物の探索
Project/Area Number |
16390157
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Research Institution | OKYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川崎 博己 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60125151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 勇二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90161786)
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Keywords | 血管周囲神経 / 交感神経 / CGRP神経 / Phenol塗布除神経法 / 神経再生・再分布物質 / 血管周囲神経リモデリング / 神経成長因子 / Angiotensin II type 2受容体 |
Research Abstract |
平成17年度の研究成果から、ラット腸間膜動脈血管周囲神経をin vivoで除神経するPhenol塗布法を開発し、血管周囲神経が再生する可能性と再生促進を起こす物質の存在が確認された。平成18年度研究では、Phenol塗布法を用いて、血管周囲ペプチド作動性神経の分布促進を起こす物質の探索を行った。その結果、神経成長因子(NGF)の他に、心血管ペプチドであるAdrenomedullin、肝細胞増殖因子(HDF)およびAngiotensin IIがPhenolで損傷を受けて減少した血管周囲神経の再分布を促進することが明らかとなった。さらに、平成17年度の研究において神経再生促進物質(NGF)はアンジテンシンIIタイプ2受容体(AT2-R)たんぱく質の発現を促進する可能性が示唆された。そこで、神経成長因子の血管周囲神経再分布作用におけるAT2-Rの関与を明らかにする目的で、Phenol塗布法を用いて血管周囲神経の除神経を行い、神経成長因子(NGF)を連続投与と同時にAT2-R遮断薬(PD)またはAT1-R遮断薬(Losartan)を併用投与して、腸間膜動脈における血管周囲神経の分布を免疫染色し、その分布密度を画像解析により測定した。また、脊髄後根神経節(DRG)のAT2-RmRNAおよびAT1-RmRNAをRT-PCRにて測定した。その結果、神経成長因子によるCGRP神経の再分布促進作用はAT2-R遮断薬によってのみ抑制され、NPY神経再分布促進作用はAT1-R遮断薬によってのみ抑制された。一方、脊髄後根神経節におけるAT2-RmRNA量はNGFによって増加し、RT1-R遮断薬によって抑制された。AT1-RmRNA量も神経成長因子によって増加したが、AT2-R遮断薬によって抑制された。以上の結果から、神経成長因子による血管周囲神経再分布促進作用は脊髄後根神経節のAT2-R受容体が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)