2004 Fiscal Year Annual Research Report
基礎実験に基づくエビデンスを考慮した至適抗ガン剤併用療法の構築
Project/Area Number |
16390159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 駿 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (40218699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大戸 茂弘 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (00223884)
藤 秀人 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (90346809)
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Keywords | dosing schedule / chemotherapy / decetaxel / adriamycin / cisplatin / adverse effect / antitumor effect |
Research Abstract |
本年度は、主に2つの癌化学併用療法に最適な投薬タイミングの構築およびその機序解明を行った。 1.adriamycin/docetaxel併用療法 ・2004年にClinical Cancer Research 10 pp762に発表した従来の投与方法と比較し安全かつ効果的な投薬が可能となった投与方法を基盤に、各薬剤を安全に投薬することが可能な投薬時刻に投薬することでより安全にadriamycin/docetaxel併用療法が実施できることが明らかとなった。(Cancer Res.投稿準備中) ・DOCをADR投薬の約12時間先に投薬することで、ADR誘発心毒性を軽減できることが明らかとなった。その機序としては、ADRによって惹起される心組織中フリーラジカルの軽減が大きく寄与していることが明らかとなった。また、マイクロアレイを実施し、DOCによるフリーラジカル軽減の作用様式を分子生物学的側面より追求している。 2.cisplatin/docetaxel併用療法 ・adriamycin/docetaxelの研究方法に準拠し実験を行った。cisplatin/docetaxelの併用においても、従来の投薬方法と比較し、わずか12時間投薬間隔を設けることで顕著に副作用を軽減できることが明らかとなった。 以上より、わずかな投薬方法の変更を行うことで、より効果的に癌化学併用療法が可能となることが示唆された。今後、さらに数種の併用法についても検討していくとともに、それらの機序解明を行っていく。
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