2006 Fiscal Year Annual Research Report
微小転移巣での発現遺伝子群の包括的解析に基づく、新規がんマーカーの検索
Project/Area Number |
16390163
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向田 直史 金沢大学, がん研究所, 教授 (30182067)
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Keywords | Pim-3 / セリン / スレオニン・キナーゼ / アポトーシス / 肝癌 / 膵癌 / 大腸癌 / 肝転移 / ケモカイン |
Research Abstract |
1)原癌遺伝子Pim-3に関する研究 マウス肝癌発癌モデルにおける発現遺伝子の包括的解析から、セリン/スレオニン・キナーゼ活性を保有する原癌遺伝子Pim-3の発現が肝臓の前癌から癌病変において選択的に亢進していることを見出している。本年度肝臓と同様に内胚葉由来組織である膵臓・大腸での癌病変でのPim-3の発現を免疫組織化学的に検討した結果、これらの臓器の前癌から癌病変部位においてPim-3発現が亢進していることを確認した。ヒト膵癌細胞株ならびにヒト大腸癌細胞株においても、Pim-3の恒常的な発現とともに、好アポトーシス分子であるBadが112番目のセリン残基がリン酸化された不活型として存在している上に、Pim-3と共局在していた。Pim-3の発現をsiRNA法にて抑制すると、Badの112番目のセリン残基のリン酸化が減弱するとともに、抗アポトーシス分子であるBcl-XLの発現も低下し、細胞のアポトーシスが誘導された。以上の結果から、Pim-3は肝臓・膵臓・大腸などの内胚葉由来臓器においてアポトーシスを抑制することによって癌化に関与していること、さらに癌化に伴って発現が亢進するがんマーカーとしての挙動を示すことも示唆された。 2)ケモカインの癌の進展・転移過程での役割の解析 ジエチルニトロサミン投与による肝癌発症モデルでは、発癌の初期過程で、CCL3-CCR1系が抑制的に働くのに対して、後期では血管新生を誘導することで促進的に働くことを見出した。さらに、肝転移モデルでは、CCL2-CCR2系がIto細胞の活性化→血管新生を促進することで、肝転移を促進することを見出した。
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Research Products
(5 results)