2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来化学物質摂取とインスリン様増殖因子を指標としたホルモン感受性疾患リスク
Project/Area Number |
16390166
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐田 文宏 北海道大学, 大学院医学研究科, 助教授 (90187154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 玲子 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (80112449)
西條 泰明 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (70360906)
水上 尚典 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (40102256)
永井 秀雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (00164385)
佐田 尚宏 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20261977)
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Keywords | 植物由来化学物質 / インスリン様増殖因子 / ホルモン感受性疾患 / ステロイド代謝酵素 / 遺伝子多型 / エストロゲン / サイトカイン / リスク評価 |
Research Abstract |
がんや循環器疾患に防御的に働くと考えられているイソフラボンなどの植物由来化学物質の摂取とこのような生活習慣病のバイオマーカーとして注目されているインスリン様増殖因子ファミリーを指標として、ホルモン感受性疾患との関連を、疫学調査とin vitro実験により明らかにすることを目的として、本研究を実施した。 食餌性因子が、前立腺がん、乳がん、不育症(習慣流産)、子宮内発育遅延、尿道下裂、多嚢胞性卵巣症候群等の性ホルモンに対し感受性を示す疾患に及ぼす影響を明らかにするため、これら疾患の症例及び対照に食事および生活習慣に関する質問紙調査を実施した。 ホルモン感受性疾患の個体要因を調べるために、これらの疾患とステロイド代謝酵素、異物代謝酵素、葉酸代謝酵素、炎症性サイトカイン、インスリン様増殖因子(IGF)ファミリー(IGF、IGF結合蛋白(IGFBP)、IGFBP分解酵素)、耐糖能関連物質等の遺伝子多型を検討し、血清IGF-1を測定した。 これまでに、ステロイド代謝酵素CYP17A1、CYP19A1、HSD17B3、HSD3B1、SRD5A2、COMT、エストロゲン受容体ESR1、ESR2、IGFBP分解酵素PAPPA、インスリン受容体基質IRS1、レジスチンRETN等の遺伝子多型とホルモン感受性疾患に対するリスクとの関連を検討した。HSD17B3遺伝子G289S多型のS/S型、HSD3B1遺伝子179V多型のV/V型、ESR1遺伝子XbaI多型のA/A型及びESR2遺伝子2681-4A>G多型のA/A型では尿道下裂のリスクの上昇がみられた。IRS1遺伝子G971R多型のR/R型、RETN遺伝子-420C>G多型のG/G型では多嚢胞性卵巣症候群のリスクの上昇がみられた。今後、さらに解析を継続し、併せて環境要因との交互作用を検討する予定である。
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Research Products
(5 results)