2005 Fiscal Year Annual Research Report
オゾン層破壊物質代替物の蛋白付加物と感受性遺伝子の解明および新しいリスク評価法
Project/Area Number |
16390169
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80281070)
那須 民江 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10020794)
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
束村 博子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00212051)
岩橋 均 産業技術総合研究所, ヒューマンストレスシグナルセンター, 主任研究員 (60356540)
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Keywords | 1-ブロモプロパン / 感受性 / マイクロアレイ / 神経毒性 / GST |
Research Abstract |
1-ブロモプロパン曝露に対するラット系統間の感受性の違いを見るために、近交系Wistar Nagoya(WNA),F344を用いた。36匹の10週齢雄WNAを9匹ずつ4群に分け、2群には1-ブロモプロパン1000ppm、新鮮空気を8時間曝露した。残り2群には1-ブロモプロパン1000ppm、新鮮空気を1日8時間、週7日、4週間曝露した。同様に36匹の10週齢雄F344ラットを9匹ずつ4群に分け、2群には1-ブロモプロパン1000ppm、新鮮空気を8時間曝露した。残り2群には1-ブロモプロパン1000ppm、新鮮空気を1日8時間、週7日、4週間曝露した。4週間曝露群については2週間に一度、ラット尾の神経伝導速度を測定し、末梢神経への影響を定量化した。 1日曝露群は曝露翌日断頭し、肝臓を取り出し液体窒素にて凍結保存した。4週曝露群についても同様に、最終曝露の翌日断頭し、肝臓を取り出し液体窒素にて凍結保存した。凍結した肝臓を液体窒素で冷却下粉砕し、RNA抽出キットを用いてRNAを抽出した。ラットDNAマイクロアレイ(Agilent)を用いてmRNA遺伝子発現の変化を観察した。神経伝導速度の評価では、F344がWNAより早く遠位潜時が延長した。肝臓mRNA発現では、1日曝露群、4週間曝露群ともにグルタチオンS-トランスフェラーゼの発現が上昇していた。神経伝導速度への影響の差は大きくなく、グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性の差と対応関係を見るうえでは十分ではなかったが、この実験により、系統を超え、また急性、長期曝露に関わらず、1-ブロモプロパン曝露後にグルタチオンS-トランスフェラーゼの発現が亢進することが明らかとなった。ヒトにおいてグルタチオンS-トランスフェラーゼの多型が知られており、1-ブロモプロパンとの感受性との関係についてさらに調べる必要がある。
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Research Products
(6 results)