2006 Fiscal Year Annual Research Report
オゾン層破壊物質代替物の蛋白付加物と感受性遺伝子の解明および新しいリスク評価法
Project/Area Number |
16390169
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 通浩 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80281070)
那須 民江 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10020794)
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (30181580)
束村 博子 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (00212051)
岩橋 均 産業技術総合研究所, ヒューマンストレスシグナルセンター, 主任研究員 (60356540)
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Keywords | 蛋白付加物 / 1-ブロモプロパン / フロン代替物質 / 感受性 / 曝露指標 / リスク評価 / マススペクトロメトリー / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、非曝露ラットに対する曝露ラットの、それぞれの遺伝子についてのrdRNA発現量比を対数変換した。対数変換した値を、F344をX軸、WNAをY軸としてプロットした。1日曝露においては、YからXへの回帰式の傾きは0.93であり、4週間曝露においては0.6であった。これは、長期曝露により、曝露による発現増加比がWNAのほうがF344に比べて全般的に低いことを意味している。遺伝子抽出は次の手順で行つた。まず、第2象限、第4象限に存在する遺伝子の中で、原点からの距離が大きいものの順に抽出した。次に、第1象限、第3象限に存在する遺伝子の中で、原点からの距離が大きいものの順に抽出した。こうして、WNAとF344との間で変動方向のことなる遺伝子と、変動方向の同じ遺伝子を抽出した。 ラットグロビン蛋白付加物測定法をそのままヒトグロビンに適用した結果、感度の点で十分でないことが判明したため、測定方法の改良を行った。4-6mgのヒトグロビンを分析した。18時間の加水分解時間後、蛋白付加物の検出ができなかつたため、数回の試行により6時間が加水分解において最適であることがわかった。内部標準であるd7-PrCysがを低い濃度で加えることにより分析対象物質との適当なモル比率の下でのヒトサンプル測定が可能になった。137のdaughterionは正確な定量を妨げるバックグラウンドが高いことがわかったため、164daughter ionを用いた。この結果、低いバックグラウンドを実現し、ヒトグロビン蛋白付加物定量が可能となった。1BP曝露労働者から得た血液から抽出したグロビンの蛋白付加物が、非曝露群に比して有意に増加していることが明らかにされ、労働現場で利用可能な方法であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)