2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析に基づくミクロスポリジア感染の疫学的研究
Project/Area Number |
16390177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
古屋 宏二 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (40045555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川中 正憲 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (50109964)
杉浦 亙 国立感染症研究所, エイズ研究センター, グループ長 (70300936)
工藤 伸一 北海道立衛生研究所, 生物科学部, 部長
東 寛 北海道赤十字血液センター, 研究部, 部長
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Keywords | ミクロスポリジア / 微胞子虫 / Encephalitozoon / 血清疫学 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
初年度(2004年度)は主にミクロスポリジア(微胞子虫)Encephalitozoonの一次汚染(動物における流行状況)に関する疫学的研究を行い、わが国で飼育・展示されているペットウサギ、リスザルに当該病原体が予想以上に蔓延していることを明らかにした。 (1)サル類における播種性E.cuniculi感染の血清疫学的解析 動物飼育コロニー内動物間流行を推定する血清疫学的指標として平均ELISA値+3SDの有用性が示唆された。ニホンザル群(91頭):0.039+0.096;アカゲザル群(13頭):0.024+0.071;リスザル群(感染が確認された群、19頭):1.7+0.591(サル類疾患の生態学、平成16年度京大霊長類研共同利用研究会発表、関連英文論文準備中)。 (2)リスザルから検出された播種性ミクロスポリジアE.cuniculiの遺伝子型 一飼育施設で斃死したリスザル2頭にE.cuniculiを検出し、国内例として初の遺伝子III型を同定した(獣医寄生虫学会誌、2005、関連英文論文準備中)。 (3)動物病院受診ペットウサギにおけるE.cuniculi抗体保有状況 1998〜2004年に全国から収集したペットウサギの血清検体について調べた結果、神経症状がみられた症例の87%、無症状例でも46%が抗体陽性であることが判明し、公衆衛生上監視が必要な病原体であることが明瞭になってきた(子どもにうつる動物の病気、2005年)。 (4)関東地方におけるイヌのEncephalitozoon感染の血清疫学的調査 関東地方におけるイヌのELISA陽性率は0.62%(1/159)であった(原生動物学雑誌、37、96、2004)。 最終年度(2005年度)は初年度の上記成果を踏まえ、"ヒトにおける血清疫学的研究"を中心に"プロテオーム解析及びモノクローナル特異抗体の作出"、"マレーシアにおけるミクロスポリジア流行株の遺伝子分析"等について現在進行中の研究の最終的な結論と成果をまとめる予定である。
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Research Products
(7 results)