2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析に基づくミクロスポリジア感染の疫学的研究
Project/Area Number |
16390177
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
古屋 宏二 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (40045555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川中 正憲 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (50109964)
杉浦 亙 国立感染症研究所, エイズ研究センター, グループ長 (70300936)
工藤 伸一 北海道立衛生研究所, 生物科学部, 部長
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Keywords | Microsporidia / Encephalitozoon cuniculi / IgM抗体 / 自然抗体 / プロテオーム / 遺伝子型 / 血清疫学 / 感染予防 |
Research Abstract |
ミクロスポリジア(Microsporidia)は新興水系病原体であり、飲料水汚染候補微生物である。しかし、本邦における流行の実態は不明である。この研究は播種性病原体を中心に流行状況を血清疫学的に究明し、反応した抗体の認識部位をプロテオーム手法で解明すること、及び腸管寄生性病原体の遺伝子検出を海外流行地の研究機関と共同検討することを目的とした。 先ず、人におけるEncephalitozoon cuniculi感染の血清疫学についてIn situ ELISA法で分析したところ、健康人のおよそ36%に抗極管IgM抗体を発見した。この陽性率は若年層で高く,加齢とともに低くなる傾向があった。CD4の200以下のHIV感染者には陽性者が極端に少ないことから、感染防御と関連性がある自然抗体の可能性が強いことが示唆された。また、プロテオーム手法により11種の蛋白質を同定し、人の血清中抗体が認識する抗原をPTP1と同定した。 動物流行の研究においては、リスザルから国内初のE.cuniculi III型を分離同定し、しかもIII型新亜型であることを明らかにした。また、汚染指標動物として最も重要な国内飼育ウサギから高頻度でI型を検出同定した。 腸管寄生性病原体の疫学研究については、ケバングサーン・マレーシア大学と共同で形態的に陽性の臨床糞便材料(およそ50検体)からの遺伝子検出を試みたが、1例(Fish microsporidia?)を除きmicrosporidia DNA断片を検出することはできなかった。
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Research Products
(5 results)