2004 Fiscal Year Annual Research Report
高機能広汎性発達障害を有する児童・生徒に関する包括的研究
Project/Area Number |
16390182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
小野 次朗 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20214182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江田 裕介 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00304171)
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 看護学部, 教授 (80191146)
小野 尚香 近畿福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70373123)
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Keywords | 高機能広汎性発達障害 / 教育 / 就学前療育 / ネットワーク / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
1.A市内の小学校における軽度発達障害児童のアンケート調査 本年度から3年かけて、2学年ずつ調査をおこなう予定であったが、分割するよりも一斉に行うほうが手技上容易であるということから、平成17年度に全学年を一斉に行うことになった。アンケートについては、文部科学省が2002年度に行ったアンケート内容と、LDI(LD判断のための調査票)のアンケート内容を併用する予定である。 2.A市内在住で医療機関を受信している高機能広汎性発達障害児童に関するアンケート調査 上記1の調査と平行して、どの程度の児童が実際に医療機関を受信しているのかを調査する予定であったが、1の調査と出来るだけ期間をそろえる方が状況をつかみやすいと考え、平成17年度に行うこととした。 3.アメリカオライオンアカデミーにおける高機能広汎性発達障害の生徒に対する教育実践 平成16年9月15日から19日にわたり、オライオンアカデミーを訪問し、教師への聞き取り調査および保護者への聞き取り調査を行った。教師の教育方針のひとつに、「他高校と同じ教授内容を、工夫した教授方法で教える」が挙げられていた。なお、オライオンアカデミーにおける実践の記録をつづった書籍「Helping a Child with Nonverval Learning Disorder or Asperger's Syndrome」の翻訳を完成させた。詳細は研究発表参照。 4.A市内における軽度発達障害児童に関するネットワークの検討 教育、医療、保健、福祉をつなぐネットワークについて、軽度発達障害の子どもたちを中心に、どのような連携がなされているのかを検討し、第13回日本LD学会の自主シンポジウムで発表した。まだ十分とはいえないが、徐々に連携が広がってきている様子が伺われた。その中で、次の2点の必要性が確認された。(1)個々の教員の軽度発達障害に関するレベルアップ、(2)教育以外の領域の専門職とまず個人的なつながりを形成すること。 5.就学前の軽度発達障害を含む障害および学童期の軽度発達障害に対する支援の現状 A市では、保健所における1歳6ヵ月児および3歳児健診で要観察と判断された子どもたちは、障害の程度により、保健所での定期的な発達相談を受けるか、週1回程度で開かれる親子教室に参加したり、あるいは知的障害通園施設に措置されて、毎日障害児保育を受けたりする形に分かれていた。一方、障害児の学童保育については、平成・・年から支援費制度を使用することが可能になったことから学童保育を受けやすくなり、軽度発達障害とくに高機能広汎性発達障害の児童にとっては、訓練を受けられるひとつの資源となりつつある。
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Research Products
(5 results)