2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の虚弱化や転倒発生と血中ビタミンD濃度の関連についての前向き疫学研究
Project/Area Number |
16390187
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Foundation for Research on Aging and Promotion of Human Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 隆雄 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 副所長 (30154545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英世 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (00242735)
金 憲経 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (20282345)
權 珍嬉 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (50415494)
吉田 祐子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (30321871)
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Keywords | 血清ビタミンD濃度 / サルコペニア / 虚弱化 生活機能 / 転倒 |
Research Abstract |
今回の研究では、地域在宅高齢者における血中ビタミンD濃度と筋力減少(虚弱化)、あるいは転倒発生について横断的および縦断的研究から分析し明確な関連性の有無を明らかにしようとするものである。 平成16年の初回調査で東京都のある区における70歳以上の高齢女性635名に対し、老年症候群および介護予防を目的とした包括的健診(「お達者健診」)を実施し、その一部として測定した血清ビタミンD濃度とバランス能力(ファンクショナルリーチ)、下肢筋力(膝伸展力)、通常歩行速度、最大歩行速度および最近1年間の転倒経験について横断的分析を行なった。その結果、ビタミンD濃度と有意な関連を示したのはファンクショナルリーチ、下肢筋力および歩行速度であり、さらに転倒経験の無無にも有意傾向が認められた。 平成17年度はさらに対象者数を大幅に追加し、総合計で2136名(男性1020名、女性1116名:平均年最74.2±5.7歳)について血清ビタミンD濃度の測定と、転倒あるいは生活機能低下(虚弱)に関するデータ収集を実施した。これらの膨大なデータは現在主に横断的関連性について分析中であるが、1)男女の血清ビタミンD濃度の平均値は各々、28.5±5.0ng/ml、26.3±4.7ng/mlで有意に男性で高いレベルにあること。2)男女ともに加齢による血清ビタミンD濃度の有意な変動(減少)は認められず、ほぼ安定した値を維持していること。3)四分位で他の測定値(変数)との関連で分析すると、最低位の者では握力や開眼片脚起立時間が有意に低いこと。などが明らかとなっている。 平成18年度においても対象者数を拡大し、総合計で4305名(男性1478名、女性2827名)に達した。さらに同対象者に対し、虚弱化、老年症候群(特に転倒)の発生、および介護保険申請とサービス受給状況との関連性を横断的視点で分析した他、平成16年コホートについてはその縦断的分析を実施した。
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Research Products
(7 results)