2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔の健康がその後の生活習慣病の発生に及ぼす影響に関する歯科医師コホート研究
Project/Area Number |
16390189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若井 建志 Nagoya University, 大学院・医学研究科, 准教授 (50270989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 孝 京都大学, 保健管理センター, 教授 (10252230)
内藤 真理子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10378010)
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Keywords | 口腔状態 / 歯科医師 / コホート研究 / 歯牙喪失 / 食品群摂取状況 / 脳卒中 / 虚血性心疾患 / 死亡リスク |
Research Abstract |
自記式調査票にて口腔状態を把握でき、歯科医師会を通じた追跡調査が可能な歯科医師を対象としたコホート研究を実施している。ベースライン調査では自記式問診票により、性・年齢、既往歴・家族歴、口腔状態、生活習慣、心理要因、QOLなどの情報を収集した。対象者の追跡には、同意を得た上で、歯科医師共済制度で把握される疾病罹患・死亡状況を利用している。ベースライン調査の参加者は21,075名(平均年齢±標準偏差52.3±12.3歳、女性8.0%)であった。 今年度はまずベースライン調査データを用い、歯牙喪失と食品群摂取状況との関連を検討した。ほとんどの食品群について、現在歯数が多いほど摂取量の調整幾何平均値は高く、とくに乳・乳製品類、緑黄色野菜、めん類、および豆類では、現在歯数25本以上群で現在歯なし群よりも摂取量が10%以上高かった。しかし米飯類と菓子類の摂取量は現在歯数が多い群でむしろ低かった。 さらに歯牙喪失と死亡、脳卒中・虚血性心疾患罹患との関連を検討し、ベースライン調査時点から2007年6月までの平均3.3年間の追跡期間中に、死亡383例、脳血管疾患罹患121例、虚血性心疾患罹患90例を確認した。歯牙喪失と死亡リスクとの関連の解析では、喪失歯数が5本以上の群で5本未満群よりも有意に高い、約1.3-1.6の性年齢調整死亡率比が認められた。交絡要因を調整すると死亡率比は小さくなったが、なお喪失歯数が多いほど死亡率比が高い傾向がみられた。脳血管疾患についても、性、年齢のみを考慮した場合、死亡リスクの場合と同様に喪失歯数が多いほど罹患リスクが高くなる関連が認められた。ただし他の関連要因も考慮するとこの関連はやや弱まった。一方、虚血性心疾患の罹患リスクは、喪失歯数が多いほど高くなる傾向はみられなかった。
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Research Products
(4 results)