2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390195
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
木林 和彦 佐賀大学, 医学部, 教授 (20244113)
|
Keywords | 熱中症 / 神経病理 / 遺伝子 / 病態生理 / c-fos / エタノール |
Research Abstract |
本研究では熱中症における脳神経障害に着目し、熱中症の脳内病態について脳内のタンパクと遺伝子の発現を形態学と分子生物学の両方の観点から捉え、熱中症患者の救命に寄与することを目的とする。 本年度に行なった研究は以下のとおりである。 1.マウス50匹(6〜7週齢・30〜35g前後)をペントバルビタールの腹腔内投与で全身麻酔し、42℃と37℃のインキュベータ中に置いて熱中症マウスとした。 2.熱中症マウス、エタノールを予め腹腔内投与した熱中症マウス、高張食塩水を腹腔内投与したマウス及びコントロールマウスについて、直腸温度、血液ガス分圧、血液電解質、血糖を経時的に測定した。 3.脳をホルマリン固定し、ビブラトーム切片を作成し、一次抗体c-fosを用いたホールマウント免疫組織化学を行い、熱中症によって活性化される脳内部位を特定した。 4.熱中症によって活性化される脳内部位はエタノール投与によってさらに活性化されることを見出した。 5.熱中症によって活性化される脳内部位からmRNAを抽出し、RT-PCR法を用いた各種遺伝子の発現を調べ、熱中症に特異的に発現する脳内遺伝子を同定する研究を行った。 6.熱中症によって活性化される脳内部位からタンパクを抽出し、Western blot法、二次元電気泳動法を用いて熱中症に特異的に発現するタンパクを同定する研究を行っている。 7.マウスに脳挫傷を作成し、熱中症状態で血管透過性の亢進の変化を調べ、熱中症による脳挫傷の増悪の有無を調べている。
|
Research Products
(5 results)