2005 Fiscal Year Annual Research Report
多型遺伝子のSNPsハプロタイプ解析とその法医学的応用
Project/Area Number |
16390197
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 助手 (80279140)
常岡 誠 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 助教授 (50197745)
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Keywords | DHPLC / ハプロタイプ解析 / DNAシークエンス / 集団特異的 / 自然選択 / 帰属集団マーカー / 遺伝子多型 / SNPs |
Research Abstract |
16年度にDHPLC解析の条件検討をおこなった遺伝子群について本年度は更に解析をおこない以下の結果を得た。(1)AIM1遺伝子についてヨーロッパ人集団に特異的なアミノ酸多型の近傍7.55-kbの領域のシークエンス解析をおこなった。統計解析によってヨーロッパ人集団に見られる多様性のパターンは中立性から有意に外れており、この多型を含む唯一のハプロタイプがこの集団に高頻度に存在することから比較的最近正の自然選択により有利なハプロタイプが急速に広がった可能性を示した。現在この多型が機能に与える影響をモニターするためのツールを模索しているところである。(2)分泌型遺伝子FUT2について16年度におこなったDHPLC解析を更に広げ、蛋白コード領域全体を網羅できるように条件設定をおこない、ガーナ人のサンプルを用い解析した結果、4つの新規多型を同定することが出来た。この集団におけるFUT2の多型性は南アフリカのコーサ族集団と同様に高く、また人口増減の歴史を考慮に入れた統計解析によってこの遺伝子の多型維持に平衡選択が働いている可能性を示した(論文投稿中)。 さらに今年度解析を始めた遺伝子としてはAIM1と同様に帰属集団マーカーとして注目されているSLC24A5のアミノ酸多型について様々な集団で解析をおこない、これまでに報告の無い南アジアの集団であるスリランカ人ではヨーロッパ人に特異的な多型がある程度存在しAIM1とは異なる分布をするため帰属集団特定などの法医学的な解釈に注意を要する可能性を示した(論文投稿中)。現在この多型の近傍の領域のハプロタイプ解析をおこなっている。また、集団特異的な多型分布を示す遺伝子としてカルシウムイオンチャネル遺伝子であるTRPV6についても多型および機能解析をおこなっている。
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Research Products
(6 results)