2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生治療の新戦略とその臨床応用-肝類洞壁細胞遺伝子導入による再生・分化誘導-
Project/Area Number |
16390210
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白羽 英則 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40379748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 孝作 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90235143)
高木 章乃夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80359885)
加藤 順 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90379743)
|
Keywords | 肝再生 / 血管新生 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、肝細胞増殖に関する肝細胞と類洞壁細胞の共同作業についての検討を遂行した。肝実質細胞よりは通常はプロトロンビンが産生されるが、肝細胞の機能異常により産生が開始されるdes-gamma-carboxy-prothrombin(DCP)は、肝細胞癌cell lineの細胞増殖を亢進させるが、そのDCPの産生には、gamma-glutamyl carboxylase(GGCX)の活性が深く関与している。肝細胞癌では細胞の機能異常によりDCPの産生亢進をきたすが、それら細胞では、GGCXの活性が低下し、その原因としてGGCX mRNAのスプライスバリアントの出現が認められることを確認した。更にRNA干渉によりGGCXの発現自体を抑制した細胞ではDCPの産生能が高まり、その結果として細胞の増殖能、移動能ともに亢進することを確かめた。同様に、GGCXスプライスバリアントをクローニングし、発現ベクターとして構築、更にどう遺伝子を導入した細胞では、GGCXノックダウン細胞と同様に細胞増殖能、移動能の亢進が認められた(細胞増殖能:SK-Hep-1で184±9%、HLEで177±10%)。また逆にWT-GGCXの導入によりDCP産生細胞ではDCP産生能が低下した。更にDCPは肝実質細胞のみでなく、類洞壁細胞のひとつである、血管内皮細胞に対しても増殖能、移動能を亢進させることを見出している。よって、GGCXの発現を遺伝子導入により制御することで、肝の再生を促す治療に応用できる可能性が示唆された。次年度は継続して、遺伝子導入による細胞増殖能、実質細胞、類洞壁細胞間のインテラクションについての検討を継続する予定である。
|
Research Products
(4 results)