2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管壁由来生理活性物質を応用した動脈硬化巣の可視化に関する研究
Project/Area Number |
16390217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70167609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 越 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40313134)
佐田 政隆 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80345214)
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60251295)
長野 哲雄 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20111552)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管平滑筋 / サイトカイン / 脂肪細胞 / アデノウイルス / インスリン抵抗性 / 新生内膜 / ラット |
Research Abstract |
糖尿病は高血圧と共に動脈硬化の主要な危険因子である。糖尿病患者の大部分を占める2型糖尿病では肥満に伴い内臓脂肪からTNF-αなどのサイトカインの分泌が亢進する。本研究では内因性サイトカインの血管新生内膜形成への関与を検討するために、これらのサイトカイン産生阻害薬であるCNI-1493(CNI)の効果をZuckerラットを用いて検討した。12週齢の雄Zucker ratをlean(LZ群),obese(OZ群),CNI5mg/kg/dayを投与するobese(CNI群)に分けた。CNI投与2週後、3群の大腿動脈にcuff装着による血管傷害を誘発した。更に2週投与後、大腿動脈を摘出し、内膜/中膜(I/M)比を調べた。またTNF受容体の細胞内ドメインを欠損し、TNF-αの作用を細胞内へ伝達しないmutant(AdTNFRΔC)をOZ群に発現させ、新生内膜形成への効果を調べた。体重、収縮期血圧、血糖、中性脂肪はOZ群でLZ群に比べ有意に増加し、CNI投与ではこれらの因子には影響を与えなかった。血清と内臓脂肪のTNF-α含量はOZ群でLZ群より有意に増加し、CNI群で有意に抑制された。TNF-αは大動脈含量でもOZ群でLZ群より有意に増加し、CNI群で抑制された。I/M比はOZ群で有意に上昇し、CNI群で有意に抑制された。RAGEとS100は血管内皮中心に発現し、その程度はOZ群で亢進し、CNI群で抑制された。AdTNFRΔC感染によりOZ群の新生内膜形成は有意に抑制された。以上よりTNF-αに代表される内因性サイトカインの作用阻害により、OZラットで新生内膜形成は抑制された。また培養血管平滑筋細胞にTNF-αを添加すると活性酸素種の産生の増加することを蛍光プローブを用いた顕微鏡観察で確認した。
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Research Products
(6 results)