2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管壁由来生理活性物質を応用した動脈硬化巣の可視化に関する研究
Project/Area Number |
16390217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70167609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 越 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40313134)
佐田 政隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80345214)
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60251295)
長野 哲雄 東京大学, 薬学系研究科, 教授 (20111552)
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Keywords | 動脈硬化 / NO / 蛍光 / 血管内皮 / 血管新生 |
Research Abstract |
動脈硬化発症における血管壁由来生理活性物質の役割を調べるために、糖尿病での血管内皮機能障害の発生に対する内因性サイトカインの影響をサイトカイン産生抑制薬であるSemapimod (Sem)を用いて検討した。糖尿病モデルとして12週齢、雄のZuckerラットを用いた。それらをlean (LZ), obese (OZ), Sem (5mg/kg/day)を投与するobese (OZ/Sem)ラットに分けた。Semの4週間の投与後に摘出胸部大動脈でのアセチルコリン(ACh)およびアドレノメデュリン (AM)に対する内皮依存性血管拡張反応を検討した。また摘出胸部大動脈にAM (10^<-7>M)を15分間投与した後のリン酸化Akt (p-Akt)およびcGMP産生をWestern Blot法およびELISA法で検討した。 収縮期血圧、空腹時血糖、中性脂肪、コレステロールはOZ群でLZ群よりも有意に上昇していたが、Sem投与はそれらの値に影響を与えなかった。血清CRP濃度はOZ群でLZ群よりも有意に上昇し、Sem投与で上昇は抑制された。血清および臓器中のTNF-α,IL-1β,およびIL-6含有はOZ群でLZ群よりも有意に高値を示し、Sem投与でそれらの増加は抑制された。AChおよびAMによる内皮依存性血管拡張反応はOZ群でLZ群に比べて低下しており、Sem投与で改善した。LZ群にTNF-αを腹腔内投与しておくとAChによる血管拡張反応は減弱した。AM刺激による胸部大動脈でのAktのリン酸化およびcGMP産生はLZ群に比べてOZ群で低下していたが、Sem投与で回復した。糖尿病では内因性サイトカインが血管内皮機能障害の発症に重要な役割を果たしており、内因性サイトカインの産生を抑制すると血管内皮機能は改善する。
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