2005 Fiscal Year Annual Research Report
心臓/頭部神経堤細胞の分化と形態形成の有機的連携を支える分子カスケード
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16390218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗原 裕基 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20221947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 由紀子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80345040)
天野 朋和 東京大学, 大学院医学系研究科, 寄付講座教員(助手相当) (50359634)
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Keywords | 神経堤細胞 / 鰓弓 / 心大血管形成 / エンドセリン / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
1.前年度までに、頭部顔面の形態形成において、鰓弓上皮からのET-1シグナルが神経堤細胞のETA受容体(ETAR)を介してホメオティック遺伝子Dlx5/6を制御し、鰓弓の背腹軸パターン形成を担っていることを示した。本年度は、ETAR遺伝子座に変異lox配列を導入することにより、Cre依存性遺伝子可換マウスを作成し、系統的遺伝子ノックインを可能にした。LacZ遺伝子の置換により、ETAR遺伝子が頭部/心臓神経堤細胞のほかに、中胚葉由来細胞に広く発現していることが明らかになり、これとともに鰓弓および心大血管形成に関与するET-1シグナルの標的細胞の可視化が可能になった。さらにET-1/ETAR細胞内シグナル伝達に関わる遺伝子のノックインが進み、ET-1/ETARによって活性化される細胞内シグナル経路のうち,どの経路が分化や形態形成に重要かを個体レベルで証明する実験系を確立した。 2.ET-1によるDlx5/6発現誘導機構として、タンデムに並んだDlx5とDlx6両遺伝子間のエンハンサー領域(m5/6i)がET-1シグナルに応答することを、m5/6i-lacZマウスを用いて明らかにした。 3.ET-1シグナル下流遺伝子の1つとして着目しているCalpain6が、微小管に結合してそれを安定化する作用を有し、細胞の形態維持や細胞分裂の制御に関与している可能性を明らかにした。さらにこの分子のノックアウトマウスを作成し、現在表現型の解析を行っている。 4.心臓神経堤細胞による大血管形成に重要な転写因子であるPax3に結合し、転写を活性化する因子としてTAZを同定した。TAZノックアウトマウスを作成したところ、この分子が循環調節に重要な機能を果たしていることが明らかになり、現在表現型の解析を中心にその解明を進めている。
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Research Products
(9 results)