2005 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤誘発性QT延長症候群に対する分子機序の解明と臨床対策システムの構築
Project/Area Number |
16390222
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50194973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
清水 敦哉 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50345914)
|
Keywords | QT延長症候群 / ICHガイドライン / 不整脈 / 薬剤誘発性 |
Research Abstract |
ごく一般的な薬物の使用により、時に心電図QT時間が延長して致死性不整脈を招くことがよく知られており、薬害として世界規模で問題視されている。その機序の解明と防止対策は医療事故を防止する点で緊急の課題である。本申請計画は、(1)薬物誘発性のQT延長の分子機序を解明し、(2)その知見に基づいて創薬のデータベース作りと新薬の安全性に関する臨床QT評価センターを設置すること、を目的とするものである。研究計画二年目の本年度の実績について項目ごとに述べる。 (1)薬剤誘発性QT延長症候群に対する分子機序の解明:典型的なIKr抑制剤であるmethanesulfonanilide系薬物とHERGチャネル(IKrαサブユニット)内の融合部位に関して、親和性が強くIKr抑制の力価の高い薬物(dofetilide,E-4031)ではG648,Y652,F656で形成されるチャネル内深部での結合が必要であることを明らかにした。またBepridil、Nifekalant、amiodarone,dronedaroneなど他の多くの薬物について結合部位を同定し、チャネル内での薬物取り込みの現象と薬物結合力が相関しないことを明らかにした。この結果はMolecular Pharamacology(2006)に掲載予定である (2)臨床対策システムの構築:まず、平成16年10月に当研究所内に設置された寄付研究部門(生体情報・解析)に続いて平成17年10月スズケン臨床QT解析センターが開設され、これらと共同してICHガイドラインE14にて設定される予定の5msec以内の精度でQT時間計測、測定者、判読者間の誤差についての検証作業を継続した。その結果は、平成17年3月日本薬理学会、平成17年10月日本心電学会、平成17年12月日本臨床薬理学会で報告された。
|
Research Products
(6 results)