2004 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の成因における血管内皮リパーゼの役割:HDLを標的とした新規治療法の開発
Project/Area Number |
16390226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横山 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40135794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 成乃亮 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10177678)
平田 健一 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20283880)
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Keywords | リポ蛋白 / 動脈硬化 / 炎症 / 血管内皮細胞 / マクロファージ / ノックアウトマウス / 血管平滑筋 |
Research Abstract |
1.EDLの炎症の制御に関する検討 EDLノックアウトマウス、トランスジェニックマウスに対してLPSを腹腔内に投与し、EDLの発現、脂質の変化について検討した。野生型マウスではLPS投与によって全身の炎症が生じ、EDLの発現が亢進した。一方、EDLノックアウトマウスでは、全身の炎症は軽度であり、HDL濃度にも変化が認められなかった。これらの結果から、EDLはHDL代謝を介して炎症の制御を行っていると考えられた。 2.EDLの接着分子としての役割 次にEDLが動脈硬化の発症進展に重要であるマクロファージに対する接着分子として働いているかどうかについて検討した。COS細胞にEDLを強制発現させるとマクロファージに対する接着が亢進した。すなわち、EDLはマクロファージの接着を介して動脈硬化を促進させると考えられた。 3.EDLの動脈硬化にはたす役割 次にEDLが動脈硬化の発症進展にどのように働いているかについて検討した。EDLノックアウトマウスと動脈硬化のモデル動物であるapoEノックアウトマウスを交配し、普通食または高脂肪食で飼育し、その動脈硬化病変を解析したところダブルノックアウトヤウスでは動脈硬化病巣は約50%抑制された。また、動脈硬化病巣に存在するマクロファージの数も減少していた。すなわち、EDLはマウスにおいて動脈硬化を促進させることが明らかとなった。 以上の結果より、EDLはHDLをはじめとするリボ蛋白代謝や血管局所での炎症の制御を介して動脈硬化の形成に重要な役割を果たしていると考えられた。
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Research Products
(6 results)