2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺組織における早期気腫化病変と、臨床データ・モデル動物との比較検討
Project/Area Number |
16390234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
室 繁郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (60344454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪井 宏彰 京都大学, 医学研究科, 助手 (50362489)
和田 洋巳 京都大学, 医学研究科, 教授 (90167205)
三嶋 理晃 京都大学, 医学研究科, 教授 (60190625)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 病理組織 / 組織バンク / 肺気腫モデル動物 / 呼吸生理 |
Research Abstract |
1.ヒト臨床・生体データの蓄積及び気腫肺およびコントロール検体の収集 肺組織を収集する目的で、京都大学医学研究科・医学部医の倫理委員会の承認を得て京都大学肺組織バンクを設立した。対象となる肺癌などで肺葉切除術を受ける予定の患者様より、文書によるインフォームドコンセントを得るため研究説明書・同意書を作成した。肺組織バンク事業として蓄積する術前臨床データ項目(胸部CT画像、肺機能、血液検査など)を選定し、連結可能匿名化を行うため、データファイルと管理環境を整えた。組織は、摘出肺より診断に必要な病理検体を除き、病巣からもっとも離れた区域を50%OCTにて進展、凍結し、-80度の冷凍庫に保存する。凍結肺組織を、冷凍肉スライサーなどの工具を用いて、小さなブロックとして保存することで、一部を形態学に、また一部を分子生物学的検討に必要なときに使用することが可能となった。以上の方法で保存した肺組織より、直接RNAを抽出できることを確認した。更には、凍結薄切標本を作製し、laser capture microdissectionにも使用可能であることを確認した。今後は検体及びデータの収集を増加し、臨床データやCT解析の結果と、組織から得られるデータを比較検討しながら、COPDの病態解明を行っていく。 2.マウスの肺気腫のデータ蓄積と評価 肺気腫モデルとしてKlotho miceの肺を進展固定し、HE染色、弾性・膠原線維染色抗体を用いた免疫組織染色によって気腫性変化を評価した。現在、肺機能の測定を、small animal ventilatorを用いてresistantやelastanceなどを測定中である。病理組織学的なフラクタル次元の変化と肺機能変化、更には、ヒトで得られた結果とを対比させながら、COPDの病態を追究していく。(767字)
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