2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390243
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北村 正敬 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (90333062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姚 建 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (50303128)
武田 正之 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Keywords | 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / バイオセンサー / NF-kB / 糸球体腎炎 / 分泌型アルカリフォスファター / 小胞体ストレス / 細胞移植 |
Research Abstract |
本研究は、患者への侵襲・負担を軽減する先進医療(診断・病勢把握・治療技術)の確立に向け、特定の病態応答分子(転写因子、分泌型蛋白)をセンサーとして用い、鋭敏かつ特異性の高い生体内バイオセンサーを体内に構築することを目指すものである。具体的には血中の外来マーカータンパクのレベルを測定することで病勢を適宜チェックし、病態の変化を早期に認知しうる簡便な病勢監視システムの開発を最終目標とする。本年度は以下の2項目について検討を行った。 1.糸球体腎炎の炎症活動性のモニタリング まず、昨年に引き続き糸球体腎炎をモデルとし、分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)遺伝子を炎症に即応して活性化される転写因子NF-κBの結合配列の下流に挿入して作製した遺伝子構造をex vivoの形で炎症糸球体に導入し、血中のSEAP活性と局所炎症の活動性とを詳細に検討した。その結果、血中のSEAP活性の推移は、糸球体腎炎の病理学的変化(炎症性細胞の浸潤、糸球体常在細胞の増殖)と極めて良く相関することが確認された。このことにより、分泌型指標分子と特定の病態に反応し活性化される遺伝子配列とを組み合わせることにより、局所の病勢を、継続的、非侵襲的、かつ簡便に行いうることが示された。 2.小胞体ストレスのモニタリングに向けての基盤的検討 小胞体ストレスは腎疾患をはじめ種々の病態の発症進展に寄与することが示唆されている。われわれは、ER stress-responsive alkaline phosphatase(ES-TRAP)を安定に発現分泌する種々の細胞において、小胞体ストレスがES-TRAP活性を極めて鋭敏かつ迅速に抑制する事実を見出した。この小胞体ストレスによるES-TRAP活性の低下には、翻訳後修飾の異常、分泌の阻害、またプロテアソーム系による分解亢進が関与している。この現象を利用し、生体内における小胞体ストレスの状況をリアルタイムに把握するためのシステムを樹立すべく、全身の臓器でSEAPを発現分泌するトランスジェニックセンサーマウス(ES-TRAPマウス)を樹立した。この小胞体ストレスセンサーマウスに小胞体ストレスを惹起するthapsigarginを投与したところ、血中ES-TRAP活性の速やかな低下が観察され、そのin vivoでの有用性が確認された。
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Research Products
(6 results)