2005 Fiscal Year Annual Research Report
Alzheimer病におけるAβ,tau蓄積および神経細胞死の治療法の開発
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16390251
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
東海林 幹夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60171021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 悦朗 国立長寿医療センター, アルツハイマー病研究部, 室長 (70219468)
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20212540)
池田 将樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50222899)
瓦林 毅 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90186156)
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Keywords | アルツハイマー病 / As / tau / 神経細胞死 / トランスジェニックマウス / 治療法 |
Research Abstract |
TauTgP301Lの経時的な検討を行った。TauTgP301Lでは8月齢からリン酸化tauの蓄積とGallyas染色陽性のastrocytic plaqueがまず出現し,10ヶ月齢から神経原線維変化が大脳皮質に出現した.神経原線維変化の増加とともに前頭葉と側頭葉の萎縮が著明となり,海馬と扁桃体,大脳皮質で有意な神経細胞減少が認められた.生化学的にはサルコシル不溶性分画にリン酸化したtauの蓄積が見られ,電顕的にはtwisted tubuleであった.行動学的に検討するとRotarod試験などの運動機能の異常は見られなかったが,Morris水迷路試験,8-radial arm試験とConditioned tasted aversion(CTA)試験で記憶記銘の有意な障害が認められた.Tauopathyのより良い動物モデルの確立と考えられた. Tg2576 miceでAβ42分子種特異的モノクローナル抗体(BC05)0.5mg/週の腹腔内投与を6週間,さらに1mg/週で34週間の計9ヵ月間施行し,脳内Aβ蓄積量と血液中Aβ量をBNT77/BA27,BNT77/BC05 ELISAにてAβ40,Aβ42を分別定量した.脳内アミロイド除去のより効果的な治療法として18月齢Tg2576の脳室内にAlzet pumpを用いてBC05(2mg/ml)を14日間持続投与した.腹腔内BC05投与群においては免疫組織学的に老人斑として観察されるAβ蓄積抑制効果が認められた。標識BC05抗体を用いた腹腔内投与マウスにおいて標識陽性老人斑が認められ,BC05が脳内でアミロイドに結合していることが確認された.一方,ELISAの結果から脳内不溶性Aβ42の減少,脳内可溶性Aβ42と血液中Aβ42の選択的な有意な上昇が認められた.脳室内投与群では免疫組織化学的には治療群において投与側の脳室周囲の大脳皮質を中心にAβ42アミロイド沈着の減少を認めた.さらにAβ40アミロイド沈着の減少も認められた.これより一旦沈着した脳Asアミロイドの除去効果が確認された.以上のことから,従来に比べより選択的で安全な治療法と考えられた.
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Research Products
(7 results)