Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 悦朗 国立長寿医療センター, アルツハイマー病研究部, 室長 (70219468)
阿部 康ニ 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20212540)
池田 将樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50222899)
瓦林 毅 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90186156)
冨山 誠彦 弘前大学, 医学部, 助教授 (40311542)
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Research Abstract |
ヒト大脳にみられる神経原線維変化を忠実に再現する新たなマウスを開発し,pretangle, NFT, glial tangleの出現機序,生化学的変化,シナプス・神経細胞消失,記憶障害発症の詳細な病態を世界に先駆けて明らかにした.今後のAD研究における神経原線維変化から神経細胞死の治療法開発の発展に重要な役割を果たすモデルの確立と考えられ,世界的にも注目されている.モデルマウスの掛け合わせではAβ amyloidosisによるtauopathyの著明な誘発はみられず,変性神経突起に限局されることから,Aβカスケード仮説を前提としたAβ蓄積の治療で,すべての脳病変の治療は可能であるとの仮説に問題があることを明らかにできた.また,taupathyに対する抗体による治療効果も不十分であることから,tauopathyには新たな治療法の模索が必要と考えられた. AD脳および脳Aβアミロイドモデルマウスをもちいて,最も早期の病変を解析し,lipid raftに蓄積するAβ oligomerで有ることを世界に先駆けて明らかにした.この結果の発表の後,世界中かADにおけるシナプスや神経細胞を障害する直接の原因分子は実際には6〜12個のAβからなる小さな凝集体(Aβ oligomer)であることが追試された.このことから,新たなADの治療法としてはAβ oligomerの制御が焦点となると考えられるが,我々の開発したAβ42特異性モノクローナル抗体BCO-5とメラトニンによる治療がいずれも,Aβ42Oligomerを減少させることが判明し,両方法ともきわめて重要な治療法と考えられた.本研究でさらに細胞内Aβに始まる超早期の脳アミロイド蓄積機序とアポトーシス誘発機序,記憶障害出現機序を明らかとするとともに,γ secreretaseによるAβ産制機序についても詳細な検討を加えた.
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