2005 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用のための猿を用いたパーキンソン病に対する成体脳幹細胞活性化療法の研究
Project/Area Number |
16390255
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
望月 秀樹 順天堂大学, 医学部, 助教授 (90230044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 洋 大阪大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40273685)
高田 昌彦 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00236233)
水野 美邦 順天堂大学, 医学部, 教授 (30049043)
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Keywords | パーキンソン病 / 再生医療 / 肝細胞増殖因子 / MPTP / 神経幹細胞 / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
パーキンソン病の再生医療として、もし神経幹細胞が障害部位である黒質において存在するのであれば、神経栄養因子などを用いて、それを活性化することにより治療が可能である。我々は、まずそれを確認するために改変したレトロウイルスベクターを用いて動物モデルで探索した。さらに、神経幹細胞や未熟な神経細胞を検索すべく動物モデルやパーキンソン病の剖検脳を用いて検討した。黒質に神経幹細胞は存在しなかったが、未熟な細胞群を発見し報告した。この細胞群は一部がドパミン神経細胞に分化しており、その細胞増殖、分化を促進させることが有効な治療法になりうることを示した。この発見はAnn Neurol.58(1):31-40,2005に発表。ロイター通信(2005.7.22)、読売新聞(2005.7.26)毎日新聞(2005.8.15)で紹介された。 次に大阪大学、船越先生と共同研究で、肝細胞増殖因子すなわちhepatocyte growth factor(HGF)をパーキンソン病モデル脳内に持続投与することで治療法になりうるかにつき検討した。HGFは肝臓の最も強力な再生因子で、これまで多くの研究者によって基礎研究が進められ、抗アポトーシス作用や抗線維化作用といった多彩な作用も明らかにされている。 まずMPTPを用いてパーキンソン病モデルサルを作成。持続投与ポンプを用いてHGFを持続投与し、臨床症状および病理学的評価を行った。臨床症状は、ビデオ撮影により評価したが治療前後での改善は認められなかった。病理学的評価は、TH陽性細胞について検討したがやはり、治療の前後での改善は確認できなかった。 今後は、HGF以外の神経栄養因子などの治療効果につき検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Characterization of multimetric variants of ubiquitin carboxyl-terminal Hydrolase L1 in water by small-angle neutron scattering.2006
Author(s)
Naito S, Mochizuki H, Yasuda T, Mizuno Y, Furusaka M, Ikeda S, Adachi T, Shimizu H, Suzuki J, Fujiwara S, Okada T, Nishikawa K, Aoki S, Wada K
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun 339(2)
Pages: 717-725
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Journal Article] Pro-apoptotic protein glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase promotes the formation of Lewy body-like inclusions.2005
Author(s)
Tsuchiya K, Tajima H, Kuwae T, Takeshima T, Nakano T, Tanaka M, Sunaga K, Fukuhara Y, Nakashima K, Ohama E, Mochizuki H, Mizuno Y, Katsube N, Ishitani R.
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Journal Title
Eur J Neurosci. Jan;21(2)
Pages: 317-326
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[Journal Article] Possibility for neurogenesis in substantia nigra of parkinsonian brain.2005
Author(s)
Yoshimi K, Ren YR, Seki T, Yamada M, Ooizumi H, Onodera M, Saito Y, Murayama S, Okano H, Mizuno Y, Mochizuki H.
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Journal Title
Ann Neurol. Jul;58(1)
Pages: 31-40
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