2006 Fiscal Year Annual Research Report
先天性筋ジストロフィーの分子発病機序の解析と治療法開発
Project/Area Number |
16390256
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部, 教授 (00107666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 助手 (40286993)
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Keywords | α-dystroglycan / α-dystroglycanopathy / laminin / protein convertase / Large |
Research Abstract |
【目的】α-dystroglycan(DG)がlamininとの結合能を獲得するためにはMDC1Dの原因遺伝子産物であるLargeがα-DGのN末端ドメインと結合することが不可欠であること、糖鎖修飾の完了後にこのN末端ドメインはprotein convertase(PC)によって切断されることが示された。α-DGとα-dystroglycanopathy遺伝子産物の相互作用を明らかにすることを目的として、α-DGのN末端ドメインのプロッセッシングに関する検討を行った。 【方法】α-DGコア蛋白質のN末端ドメインおよびC末端ドメインの合成ペプチドをウサギに免役しポリクローナル抗体を得た。これらの抗体とα-DGの糖鎖特異的抗体(IIH6)を用いて、C2C12培養筋芽細胞におけるα-DGのN末端ドメインのプロッセッシングを検討した。α-DGのlaminin結合能はプロットオーバーレイ法を用いて解析した。 【結果】α-DGのN末端ドメインに対する抗体により、C2C12の培養上清中には35KDのバンドを認めた。PC阻害剤であるCMKの添加によって培養上清中の同バンドは認められなくなり、一方でC末端ドメインに対する抗体によりC2C12のホモジネート中のα-DGの分子量は増大したことから、培養上清中の35KDのバンドはα-DGのN末端断片であると考えられた。同バンドはIIH6では検出されず、プロットオーバーレイ法にてもlaminin結合能は認められなかった。 【結論】α-DGコア蛋白質のN末端ドメインおよびC末端ドメインに対する抗ペプチド抗体を作製した。内在性のα-DGのN末端ドメインは培養上清中に分泌されていることが確認された。今後同抗体を用いて組織中のN末端断片の局在を解析するとともに、N末端ドメインの切断の意義、生じたN末端断片の生体における機能等について検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)