2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390267
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
益崎 裕章 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291899)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 公則 京都大学, 医学研究科, 講師 (40271598)
|
Keywords | 代謝症候群 / 脂肪細胞機能異常 / 治療 / 糖尿病 / 致死的血管イベント / 11β-HSD1 / グルココルチコイド / 内臓脂肪 |
Research Abstract |
代謝症候群は心筋梗塞や脳卒中に代表される致死的心血管病発症の高リスク群である。本研究では代謝症候群の基盤分子病態としての"脂肪細胞機能異常症"に焦点を当て、細胞内グルココルチコイド活性化酵素の脂肪細胞における活性調節メカニズムを中心とした"アデイポステロイドの作用機構"の全貌を明らかにすることにより、代謝症候群の病態解明、新規診断法の開発、我が国における遺伝的背景の解明、そして新規治療法の開発に直結する基礎研究を推進している。本年度は3T3-L1株化培養脂肪細胞、マウス内臓脂肪組織由来初代培養脂肪細胞を利用し、炎症性サイトカインやAMPキナーゼ、セラミド経路が11β-HSD1の遺伝子発現や酵素活性を誘導することを明らかにし、分子メカニズムを解析した。また、11β-HSD1阻害低分子化合物の探索研究を更に進め、天然物ライブラリーを用いてヒト型11β-HSD1強発現細胞由来マイクロソーム画分(酵素活性が存在する)、リコンビナント11β-HSD1、基質(3H-cortisone)、補酵素(NADPH)の混合物における特異的酵素阻害活性をSPAビーズの発光を指標としてスクリーニングするscintillation proximity assayを用いて複数の有力な候補化合物の選抜に成功した。遺伝子操作マウスを用いた応用研究ではadiponectin、adipocyte fatty acid binding proteinの2種類の強力な脂肪細胞特異的プロモーターの支配下にヒト型11β-HSD1を過剰発現させる新規の遺伝子操作トランスジェニックマウスを樹立し、これら遺伝子操作動物およびdb/dbマウスなどの遺伝性モデル動物に対するヒト型11β-HSD1アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与実験を行い、明らかなインスリン抵抗性改善、脂質プロファイルの改善効果を見出した。ヒト由来試料を用いた臨床的研究:ヒト皮下脂肪組織バイオプシーによる遺伝子発現プロファイリングにおいては内臓脂肪量や炎症の程度と関わる複数の脂肪細胞遺伝子を同定することに成功している。
|
Research Products
(5 results)