2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム解析技術とマウスジェネティクスを駆使した白血病の発症メカニズムの探究
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16390272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 誠司 東京大学, 医学部付属病院, 寄附講座教員 (60292900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 滋 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60212049)
鈴木 隆浩 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (40345210)
熊野 恵城 東京大学, 医学部附属病院, 研究拠点形成特任研究員 (90396721)
伊豆津 宏二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30361471)
山本 豪 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (70396753)
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Keywords | 白血病 / コピー数解析 / SNPアレイ / CNAG / アレル特異的解析 / UPD / LOH |
Research Abstract |
白血病は造血前駆細胞が正常の分化や細胞死の制御を逸脱してクローナルに増殖する病態と捕らえることができるが、こうした分化・増殖・細胞死の異常は究極的にはゲノムに生じた変異に帰着される。すなわち、白血病の発症機序を明らかにする上では、白血病ゲノムに生ずる変異を同定することが、極めて重要である。そこで本研究では、マイクロアレイ技術を駆使して、白血病ゲノムに生ずる変異をコピー数やアレルの不均衡という観点から網羅的に解析することにより、白血病の発症に関わる責任遺伝子の探索を行った。白血病ゲノムの網羅的なコピー数の解析の目的には、大規模SNPタイピング用に開発された高密度オリゴヌクレオチドアレイを用いて高品質なゲノムコピー数解析を可能にする解析システムCNAGを独自に開発し、同システムを用いて、急性骨髄性白血病(136例)、急性リンパ性白血病(458例)、慢性骨髄性白血病(30例)を含む種々の白血病の解析を行った。本システムでは、約12万個〜50万個のSNP特異的なプローブシグナルを用いることにより、全ゲノムについて極めて高い解像度でコピー数の異常を検出することが可能で、これらの試料の解析から極めて多数の共通するコピー数の異常とその標的遺伝子の候補を同定することが可能であった。また、コピー数異常のclustering解析から、白血病のゲノムコピー数における分類が可能であることが示された。一方、ATLのホモ接合性欠失領域に見いだされたBlimp1については、p57およびp21を介してRb依存性にG1停止を、またp53依存性にG2停止を強力に誘導することを見いだし、同遺伝子産物が細胞周期の制御を介して、癌抑制遺伝子として作用する可能性が強く示唆された。
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Research Products
(5 results)