2005 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞制御に関わる血管内皮細胞由来幹細胞因子の遺伝子プロファイリング
Project/Area Number |
16390275
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高倉 伸幸 金沢大学, がん研究所, 教授 (80291954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 将也 金沢大学, がん研究所, 助手 (20334766)
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Keywords | 造血幹細胞 / 自己複製 / 血管内皮細胞 / TIE2 / PSF1 |
Research Abstract |
造血幹細胞の自己複製を誘導する可能性の高い細胞として我々は血管内皮細胞がその候補であることを解明してきた。この両者の細胞間の相互作用において重要な役割を果たす分子がTIE2受容体であり、本受容体は内皮、造血幹細胞にともに発現している。造血幹細胞におけるTIE2の活性化が造血幹細胞の未分化性の維持や血管内皮細胞との細胞接着および細胞周期の遅延化に繋がることが判明し、さらに血管内皮細胞上で造血幹細胞が培養されるとTIE2遺伝子のプロモーター活性が造血幹細胞上で維持されたまま造血幹細胞の分裂が生じることが明らかになった。そこでTIE2の活性化により制御を受ける遺伝子を明確にし、幹細胞性の維持に関与する機構を明らかにするためにTIE2の恒常的活性型遺伝子を作成し、血液細胞や血管内皮細胞株に遺伝子導入して、発現の左右される遺伝子につきマイクロアレイ、サブトラクション法を用いて遺伝子の単離を行った。現在のところ直接的か、間接的作用かはまだ明確ではないが、TIE2により負に制御されることが判明したPSF1遺伝子は内部細胞塊のES細胞の増殖や、造血幹細胞の急速な増殖に必須であることが判明してきたが、このPSF1の機能制御の解析のため、酵母で報告されてきているPSF1結合蛋白、PSF2、PSF3、SLD5の遺伝子単離をマウスにおいて全て行なった。酵母と同様、マウスPSF1、PSF2、PDF3、SLD5は複合体を形成することが判明した。また、PSF1とSLD5の結合領域を詳細にし論文化した。また、SLD5のモノクローナル抗体を作成し、マウスにおける発現を解析したところ、PSF1と同様に、受精4日目の内部細胞塊のES細胞に発現が認められ、PSF1と共局在することから、酵母と同様にPSF1-SLD5およびPSF2、PSF3は複合体を形成してDNA複製に関与することが示唆された。
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Research Products
(6 results)