2006 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍における異常シグナル伝達の解析と治療法の開発
Project/Area Number |
16390276
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
直江 知樹 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50217634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 明弘 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 特任講師 (00432261)
清井 仁 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90314004)
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Keywords | 白血病 / シグナル伝達 / JAK2 / JAK3 / 標的治療 / サロゲートマーカー |
Research Abstract |
・変異FDT3の下流にはSTAT5が特異的に活性しているが、その機序は不明であった。我々は、変異FDT3にはSrcファミリーキナーゼのメンバーであるLynが結合し、その結合はFDT3リン酸化およびLynのSH2に依存的であることを示した。siRNAによるLyn発現低下により、STAT5のリン酸化ならびに変異FDT3導入32D細胞株の増殖が抑制された。またLynキナーゼ阻害剤PP2でも同様の抑制がvitroのみならずマウスに接種した変異FDT3導入32D細胞株でも認められた。LynはFDT3変異白血病における標的分子となりうると考えられる。 ・近年、MPDから高頻度にJAK2キナーゼ変異V617Fが見出されている。我々はMPDから急性白血病に移行した7例の解析を行い、いずれも片アレルあるいは両アレルのV617F変異を認めた。しかし、FDT3、N-RAS、p53については野生型であった。またJAK3変異についても検索を進め、成人AML (M7)8例中1例にM576L変異を、ダウン症候群に伴う小児AML (M7)11例中1例にA573VとA593T変異を、およびダウン症候群に伴うtransient myeloprohfbrative disorderの2例中1例に187T変異を見出した。JAK2およびJAK3が新たな標的分子となりうるかもしれない。 ・新たな染色体転座t(11;21)(q13;q22)/AML1-LRP16を有するM2細胞株(ELAM-1)白血病細胞株、t(11;19)(q23;P13)を有するMO細胞株(TRL-01)、FLT3変異を有するM4細胞株(NAMO2)、を始め新しい白血病細胞株を樹立し、細胞遺伝学および活性化チロシンキナーゼを網羅的に解析している。新規シグナル抑制剤のスクリーニングに有用と考えられる。
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Research Products
(7 results)