2005 Fiscal Year Annual Research Report
カルパイン・カルパスタチン系による関節リウマチの病態解析と関節炎制御
Project/Area Number |
16390287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三森 経世 京都大学, 医学研究科, 教授 (10157589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 隆夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (70255462)
田中 真生 京都大学, 医学研究科, 助手 (10332719)
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Keywords | カルパスタチン / カルパイン / カルパイン阻害薬 / 関節リウマチ / IL-6 / T細胞 / Th1 / Th2バランス |
Research Abstract |
【目的】我々はRA特異的自己抗体の対応抗原の1つがカルシウム依存性システインプロテアーゼ(カルパイン)の特異的内在性阻害因子であるカルパスタチンであることを報告し,抗カルパスタチン抗体陽性RA血清中のIgG分画がカルパスタチンの機能を抑制してカルパイン活性を上昇させることを確認した.カルパインは炎症に関与する様々な因子の活性化を司り,RAの関節破壊に関与する中性プロテアーゼの一種と考えられている.昨年度までに我々はカルパイン阻害薬がマウスの関節炎を抑制し,滑膜細胞のIL-1およびIL-6産生を抑制することを見出した.本年度はRAの新しい治療戦略をめざし,カルパイン遺伝子導入によるT細胞および線維芽細胞の活性化に及ぼす影響を検討した. 【方法】1)Th1およびTh2細胞におけるカルパインとカルパスタチンの発現を免疫ブロット法で解析した.2)ヒトカルパスタチンcDNAを組み込んだレトロウイルスベクターをBalb/cマウス脾細胞より分離したCD4+T細胞および3T3線維芽細胞にトランスフェクトさせた.このカルパスタチン導入T細胞をTh1およびTh2条件下で培養し,サイトカイン産生を検討した. 【結果】1)カルパスタチンの発現はTh1細胞でTh2細胞よりも減少しており,特に活性化Th1細胞での減少が著しかった.2)カルパスタチン過剰発現CD4+T細胞ではインターフェロンγ産生が減少し,IL-4およびIL-6の産生が増加した.3)線維芽細胞にカルパスタチンを過剰発現させるとIL-6産生は抑制された. 【結論】RA患者においてはカルパイン活性の亢進はCD4+T細胞をTh2からTh1へ分化誘導させることによっても関節炎症を増悪させる可能性がある.また,カルパスタチンは線維芽細胞ではIL-6産生を抑制することから,RA滑膜細胞によるIL-6を抑制して抗炎症作用をもたらす可能性が示唆された.
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Research Products
(7 results)