2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390288
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 修 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (00271164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 二郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40112510)
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
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Keywords | アレルギー / サイトカイン / 分子治療 / 免疫 / IgE |
Research Abstract |
本研究ではIL-21を用いたアレルギー疾患の制御とその機構について解析し、新しいアレルギーの分子制御技術を確立することを目的とした。アレルギーモデルとして、マウスのピーナッツ・アナフィラキシー、およびアレルギー性鼻炎を用い、これらに対してIL-21を遺伝子導入、組換えタンパクとして腹腔内投与または点鼻投与、組換えタンパクをナノ粒子に封入した形態での点鼻投与の3通りで投与した。その結果、まず遺伝子導入の系では、ハイドロダイナミクス・デリバリーにて肝に導入することにより、ピーナッツ・アナフィラキシーとアレルギー性鼻炎の両方の系で、いずれも著明にアレルギー症状が抑制できた。このとき血清中IgE濃度の有意な減少が見られた。アレルギー症状の改善度と血清中IgE濃度変化はいずれも、遺伝子導入の回数に依存した。アナフィラキシーはIL-21の腹腔内投与によっても軽快し、このときIgH鎖C epsilonの胚型mRNA発現が抑制されていた。一方、点鼻投与では、rIL-21、rIL-21/ナノ粒子のいずれの場合も、同程度にアレルギー性鼻炎を軽快させ、またIgEレベルの低下をもたらした。このアレルギー性鼻炎に対する効果は、IL-21点鼻を予防的に投与しても治療的に投与しても、得ることができた。in vitroの実験では、B細胞にrIL-21を添加するとIgH鎖C epsilonの胚型mRNA発現抑制とともにId2の活性化が認められ、IL-21シグナルによるepsilonクラススイッチのブロックにはId2が関与している可能性が示唆された。本研究によって、IgE産生の抑制という、従来なかったアレルギー発症の根源を制御する治療法がIL-21の投与によって可能であることを示すことができた。
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Research Products
(16 results)